2012 Fiscal Year Research-status Report
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24520533
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
藤 正明 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (30313381)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | be動詞削除 / nonsentential / root infinitive / SMCP / 海事英語 / 命令応答表現 / 言語習得 / 主節現象 |
Research Abstract |
今年度は海事英語の短縮表現のうち、be動詞の削除条件を探るため、母語話者(米国人、女性、20代)の協力を得て、実験文の作成及びその文の容認度実験を行った。その結果、次のような記述的一般化ができるのではないかと判断できる結果を得た。(1) レジスター保持の制約:Once you start a sentence with a specific register, keep it till the end. In other words, you cannot change your register in the middle of the sentence. (いったんある特定のレジスター<言語使用域、スタイル>で始めたら、最後までそれを保持しなさい。文の途中でレジスターを変えてはならない。)(2) 埋め込み分におけるbe動詞削除に課せられた制約:一般的に埋め込み文の中ではbe動詞を削除することができない。ただし、I thinkのようなbridge verbの補部ではbe動詞は削除可能である。(1)の制約に関しては、先行研究の中ではProgovac (2006)による形式的説明(mergeに際して語彙項目を選択するとき形式素性を伴わなければ、checkの必要も無く、時制も不必要になる)と同じ範囲の事実をカバーすると考えられるが、どちらが経験的にまた理論的により正しいのかを今後検証して行きたい。(2)の制約に関しては、先行研究では知られていないものであり、今後より詳しい調査をしたいが、現段階ですでに言えることは、be動詞削除は主節もしくは主節性が高い従属節内のみで可能だということである。また、(1)との関係で考えてみると、このような制約があること自体が、Progovac (2006)のような形式的説明がうまくいかないことを示唆していると言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は計画のうち最も大切な「英語母語話者に依頼して必要な現代英語の判断実験を行う」を実施し、研究の方向性を決定づけるような成果を得たので、他の計画は次年度以降でも本研究計画全体としてみれば概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、英語母語話者への判断実験をさらに実施し、事実を確定するとともに、研究の中間発表を行いたい。また、新聞のヘッドラインの英語を収集し、今年度得られた結果と比較したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
人件費・謝金:80000円 旅費:50000円 物品費:20000円
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