2014 Fiscal Year Research-status Report
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24520533
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
藤 正明 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (30313381)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 繋辞省略 / 短縮レジスター |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も母語話者への容認度実験や文献調査等の方法で、海事英語に見られる命令応答表現におけるbe動詞の削除を中心に、その特殊性と普遍性を研究した。 母語話者への実験の結果、海事英語において、補語の統語範疇の種類とbe動詞削除の間に強い相関関係が存在するとの新しい仮説を立てるに至った。具体的には、補語が形容詞句や動詞句の場合は、be動詞は省略されるが、補語が名詞句の場合は、省略されにくいとの実験結果を得た。 一方、文献調査の結果、このような制約は、アフリカ系アメリカ人の英語や他の言語でも観察されることがわかった。 このように、本年度の研究を通じて、特殊な英語と見なされがちな海事英語の背後に普遍的制約が存在する可能性が明らかになったと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、海事英語の省略現象にどのような特殊性と普遍性が見られるかというテーマで行われているが、本年度は、そのうち、海事英語の省略現象に言語普遍に通じる制約が存在することを示すことができたため、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、海事英語の省略現象に関わる普遍制約を指示するデータをさらに収集するとともに、他の言語の同様の制約も調査するとともに、そのような現象がそもそもなぜ生じるかを動的な文法理論の枠組みでの説明を試みたい。また、研究結果を、国内外の学会で発表したい。
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Causes of Carryover |
母語話者への実験結果を分析した結果、補語の統語範疇の種類とbe動詞削除の可能性の間に強い相関性があるのではないかとの仮説を立てるに至り、これに関わる用例をさらに収集する必要性が生じた。そこでデータを収集し、それらを再度分析した結果を、国内外の学会で発表することとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
母語話者への追加実験や文献による用例収集を行うとともに、最終的な成果を国内外の学会で発表する予定である。
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Research Products
(1 results)