2013 Fiscal Year Research-status Report
英語・日本語数量詞句の統語構造、意味・談話的性質、作用域特性に関する理論的研究
Project/Area Number |
24520536
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
本間 伸輔 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40242391)
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Keywords | 数量詞 / 作用域 / 統語構造 / 名詞句 / スクランブリング |
Research Abstract |
本研究は、英語と日本語における数量詞句の統語構造と、意味・談話的特性および作用域特性との関係について、生成文法理論の観点から分析を試みるものである。具体的には、(A) 数量詞句の統語構造と意味・談話的特性はどのように関係しているか,(B) 数量詞句の統語構造と意味・談話的特性は作用域特性とどのように関係しているか,(C) 数量詞句は、文の統語構造内においてどのように統語的に認可されるか,の3つの問いに答えることを目指す。 平成25年度は,国内学会への出席等による研究情報の収集,および数量詞句の統語構造、意味・談話的特性と作用域特性の関係(上記(B)),および数量詞の文構造上の認可システム(上記(C))についての先行研究の文献のサーベイ,データの整理分析,分析方法の検討,論文の執筆を行った。具体的には、数量詞句の統語構造,話題・焦点素性(Miyagawa (2010))による認可の可否との関係,数量詞句の作用域との間の関連性を検討し,(i)ある一定の構造を持つ数量詞句のみが話題・焦点素性の認可の対象となること,(ii) (i)で述べた「一定の構造」を持つ数量詞句のみが広い作用域をとれること,(iii)従って話題・焦点素性が数量詞句の作用域の決定に関与していることを明らかにした。 ここまでの成果を論文にまとめ、2本の論文(Homma (2014a) "On the Scope of Bare Plural Noun Phrases in English" 『新潟大学教育学部研究紀要』第6巻第2号,Homma (2014b) "Two Types of QP and Scrambling" 『言語の普遍性と個別性』第5号)を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、平成24~26年度において,「研究実績の概要」で述べた(A) 数量詞句の統語構造と意味・談話的特性はどのように関係しているか、(B) 数量詞句の統語構造と意味・談話的特性は作用域特性とどのように関係しているか、および(C) 数量詞句は、文の統語構造内においてどのように統語的に認可されるか、の3つの問いに答えることを目指すものである。 当該年度である平成25年度は上記(B), (C)についての検討行った結果,「研究実績の概要」で述べた(i), (ii), (iii)の点を明らかにした。以上の研究の成果として2本の論文を発表し,さらにそれらを発展させた論文を現在執筆中である。 従って,部分的に未解決の問題は残っているものの,当初の研究計画に照らし合わせると,概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
上記(A), (B), (C)の課題に関して、数量詞句の統語構造、意味・談話的特性と作用域特性の関係の検討、さらに数量詞の文構造上の認可システムの検討について総括的研究を行う。各課題に関する最新の文献を購入し文献のサーベイを継続する。また、学会や研究会で最新の研究情報を入手する。上記課題についての総括的な分析の結果をとりまとめ、発展的内容の論文を執筆、成果の発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に海外の学会に出席する計画であったが,研究の進展状況により,本研究の成果発表として平成26年度に開催される海外学会に応募することに計画を変更した。従って,このための旅費が平成26年度に必要となる見込みであるので,必要額を確保するため未使用分をとっておくこととした。 海外学会(米国またはヨーロッパ)に出席のための旅費,および国内学会に出席するための旅費,さらに本研究に関わる文献を購入するための費用として使用する計画である。
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