2013 Fiscal Year Research-status Report
ハイブリッドモデルによる英語学習者のプロソディの知覚に関する研究
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24520542
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
立石 志乃扶 (水口 志乃扶) 神戸大学, その他の研究科, 教授 (00157489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PINTER Gabor 神戸大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (30580691)
大和 知史 神戸大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (80370005)
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Keywords | プロソディー知覚 / 聴覚(RPT)実験 / 英語 / プロミネンス / バウンダリー / 国際情報交換 |
Research Abstract |
研究目的: 英語のプロソディ(つまりアクセントやイントネーション)知覚が、母語話者と日本語を母語とする英語学習者(以下「L2学習者」と呼ぶ)で、異なるのか否か、を同一の自然発話コーパスを用いて聴覚実験を検証することである。 研究実施計画:1年目に引き続き、2年目もL2学習者の大規模な実験を行い、データを収集し分析することを計画し、遂行した。1年目にも同様の聴覚実験を実施したが、実験用のコーパス素材が米国オハイオ大学の自然発話コーパスを用いたものではあったが、L2学習者と母語話者の間で異なっていた。今年度は、完全に同一の実験素材を用いての実験である。今年度の実験は2大学から100名を超える被験者を集めてることができ順調に行われた。その後データを解析せきるように処理し、統計分析を行い、L2学習者のデータは解析が終わった。その結果を共同研究者である米国イリノイ大学のコール教授の専攻研究の母語話者のデータを比較し、分析を進めている最中である。 現在のところ分かっていることは、英語の自然発話であっても、L2話者と母語話者では、発話のまとまりの知覚に関してはほとんど違いがない。また発話の中での重要な内容であることを示す音声特性の把握に関しても、統計的にはL2学習者が母語話者より数値が低いものの、音声特性知覚の傾向は類似している。つまり、母語話者もL2学習者も、自然発話を処理する能力はあまり違わない、という予測とは異なったおもしろい結果がでている。 また共同研究者のイリノイ大学のコール教授と本研究のL2母語話者のデータを共有し、分析に助言をもらっている。 研究実績:今年度の業績は、論文1(国内専門誌、英語論文)と口頭発表1(国内での開催学会、英語での発表)である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
聴覚実験は計画通り進行している。 分析に関しては、L2学習者と母語話者のデータを同じ分析方法で統計をかけるための前処理に時間がかかった。分析はおおむね終わっているが、まだ検討したい項目が残っているので、完了するにはもう少し時間が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目には、留学経験のある上級のL2学習者を被験者として、3回目の英語自然発話音声の聴覚実験を続け、被験者の英語能力によって英語の自然発話の知覚能力に違いがあるか否かを検討する。 また、研究成果は国内外の学会で発表し、論文も執筆する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は、聴覚実験のための補助ならびにデータ処理のために見込んでいた人件費の支出がなかったため、繰越額が出た。当初は人を雇用してデータ処理を行う予定であったが、研究者が自分の目で実験結果を一つひとつ確認する必要から、研究代表者がすべてのデータ入力を行った。時間はかかったが、質的には正確なデータ処理ができた。 来年度も聴覚実験は行うので、謝金と実験補助ならびにデータ処理の人件費として使用する予定である。また必要に応じてデータ解析にも人を雇用する。 また、研究の最終年度であるので、研究成果の発表のために、国際会議の参加費と旅費が必要になるので、それらにも支出する定である。
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Research Products
(4 results)