2014 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッドモデルによる英語学習者のプロソディの知覚に関する研究
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24520542
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
立石 志乃扶(水口志乃扶) 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (00157489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PINTER Gabor 神戸大学, 国際コミュニケーションセンター, 准教授 (30580691)
大和 知史 神戸大学, 国際コミュニケーションセンター, 准教授 (80370005)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 英語のプロソディー②アメリカ / プロミネンス②アメリカ / バウンダリー②アメリカ / 統語範疇②アメリカ / 時間長②アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アメリカオハイオ州立大学のBuckeyeコーパスに収められている英語の自然発話を用いて、英語母語話者(NS)、日本語を母語とする英語学習者(中級 Int)と同(上級 Adv)がどのように英語のプロソディを知覚するのか、を同じデザインの知覚実験を用いて調査、検証するものである。具体的には英語の10秒から20秒程度の発話の境界(バウンダリー)と意味上顕著に聞こえるプロミネンスをマークするRTP実験と呼ばれている実験方式を採用している。最終年度はAdv20名に知覚実験を行い、これまでのInt108名の実験データとあわせて、音声面と統語面から総合考察を行った。 ① 研究成果:本研究は日本語を母語とする英語学習者を被験者として知覚実験を行っており、母語話者のデータはRPT実験を発案したアメリカイリノイ大学のJennifer Cole教授の研究を許諾を得て使用している。実験の結果は、まず第一に被験者間の知覚の合致度はいずれの3群でもバウンダリーの方がプロミネンスよりも有意に高い、という結果を得た。第二にバウンダリーにおいてもプロミネンス知覚においても、NS>Adv>Intの順で被験者間合致度が有意に高いという結果であった。本研究では、プロミネンス知覚を音声面と統語面からさらに解析を行った。バウンダリー知覚に関しては、NSが反応するが学習者が全く反応しない統語範疇があることが分かった。音声面ではNSも学習者も時間長とポーズに反応する点は同じである。 ② 意義と重要性:英語のプロミネンスは解明が困難とされている分野である。また数が決して多くはないプロミネンス研究は、産出の研究のみであり、プロミネンス知覚の研究は本研究がはじめてである。加えてプロミネンスの先行研究は音声面からの研究が主であるが、本研究は統語面からも考察している点に意義がある。
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Research Products
(6 results)