2014 Fiscal Year Annual Research Report
英語の関係詞節の接続形式と発話解釈に関する意味的・語用論的研究
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24520548
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
中山 仁 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (70259810)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 関係詞 / 制限的 / 非制限 / 限定 / 必然性 / 情報構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は制限的関係詞節と非制限的関係詞節との間であいまいな位置づけがなされている関係詞節を中心に、主節と関係詞節との連結関係についての意味的・語用論的研究を行った。 具体的には、先行詞と関係詞節との修飾関係において、関係詞節が限定的に機能する場合と記述的に機能する場合の個々の事例について吟味した結果、両者が意味と情報構造に基づいた相対的な関係にあるという結論に達した。特に、この場合に関わるのは「限定性の希薄化」、「必然性(予測可能性)」、「情報の重要度」という概念である。これらは、制限的関係詞節が単に制限性という概念によって説明することのできない関係詞節に対して、段階性を導入するための基本的な要素と考えられる。今回の考察によって、「関係詞節を制限的関係詞節と非制限的関係詞節で単純に二分する」という従来の考え方では説明が困難であった事例について、より妥当な説明を与えることが可能となった。 とりわけ、今年度は関係詞節が名詞句の後置修飾の一形態である点に注目し、より一般的な見地から関係詞節が表す限定の意味について考察した。具体的には、of句および関係詞節による名詞句の限定に関して、両者に平行して見られる含意を糸口に、「限定性の希薄化」という概念を仮定した。これによって、前年度まで問題となっていた「制限的」と「記述的」という2つの概念の関連性を明確化することができた。 一方、コンマ(comma)を伴うthat 節についても考察を行った。この事例の使用範囲は想定される以上に広いことが分かった。この現象にはスタイル上の要因も含めていくつかの要因が別個に関係しているが、今回はこのような事例にも「限定性の希薄化」と「情報の重要度」という概念が関連していることを指摘し、他の関係詞節と同様、主節と関係詞節の連結関係に関する一般的特徴に基づいて説明が可能であることを示した。
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Research Products
(1 results)