• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

統語標識付き史的コーパスにおける多重否定の変化についての研究

Research Project

Project/Area Number 24520551
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionTokiwa University

Principal Investigator

伊藤 礼子  常磐大学, 国際学部, 教授 (30151559)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords中英語 / 多重否定 / コーパス / フランス語
Research Abstract

本研究の目的は、中英語における多重否定構文を統語標識付きコーパスthe Penn-Helsinki Parsed Corpus of Middle English Second Edition(PPCME2)で検索、集計、分析することにより、フランス語否定構文との類似点と相違点を考察し、中英語の多重否定構文の盛衰を明らかにすることである。古英語では否定辞neが動詞を否定していたが、中英語になるとnotの挿入により否定が強調されるようになった。しかし本研究者はthe Helsinki Corpus of Englishの中英語期についてneをキーワードとして否定構文の調査を行い、ne V notにおけるnotの挿入はフランス語の影響であると推測した。本研究ではさらに統語標識付きPPCME2で否定構文を検索し、フランス語との関連を調査、比較、分析し、notの挿入が「neの弱体化による否定の強調」の他にフランス語の影響があることを実証する。
本年度は中英語の否定構文について文献調査を行い、本研究の多重否定構文は否定接続詞を含まないものとして定義づけた。またPPCME2の利用については文献調査に加え、研究者との意見交換も行った。検索はPPCME2の統語標識をNEG(否定)、ADV(副詞)、Q(数量詞)とし、キーワードはneとnotで行い、否定構文をne V、ne V not、not ne V、not Vの4型に分類、比較した。その発達においては従来の研究通り、中英語2期((1250-1350)においてne V not構文が急増していることが実証された。またPPCME2のテキスト情報から中英語2期のテキストのほとんどがフランス語あるいはラテン語からの翻訳であることも確認した。しかしそれはPPCME2の中英語2期のテキストがほとんど翻訳が占めるという問題点も浮かび上がることとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

PPCME2でNEG、ADV, Qの統語標識で多重否定構文をを検索し、集計した。現在はNEGのみの分析であるが従来の研究と同様な結果を得、また中英語2期についてはフランス語の影響を確認することができた。今後、ADVとQを含む多重否定構文について、その動詞の語源を含め分析する。しかし、NEGについてのみの分析ではあるが、2013年5月の国際学会でPPCME2における中英語の多重否定構文について発表する予定である。
先行研究文献調査は、ある程度進んでいるが最近の研究について未だ一部されていない。今後それらの資料を集め調査を行う。またフランス語の否定構文の発達については資料は集めたが、詳細な検討を行っていないため、今後推進する。

Strategy for Future Research Activity

PPCME2から検索されたADVとQが含まれた多重否定構文を分類、分析し、NEGを含む多重否定構文と合わせて考察する。またフランス語の否定構文の発達について文献調査を行い、中英語における多重否定構文の盛衰をフランス語との類似点と相違点で比較、検討する。
2013年5月の国際学会で口頭発表を行い、知見を得、それを基に研究の方向性を再検討する。また国外の研究者達の動向を知り今後の研究の参考にする。国内の学会にも積極的に参加し、意見交換も行う。
新しい知見等を取り入れ、資料の正確さ、理論の妥当性を確認しながら、論文執筆を開始する。
また本年度の調査で明らかになったPPCME2の中英語2期のテキストがほとんど翻訳であることについては、コーパス編纂についての文献調査を行い、問題点を指摘するつもりである。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

2013年5月2日~4日にスペインのムルシア大学で開催されるthe 8th International Conference on Middle Englishにおいて"The French Influence on Multiple Negation in Middle English: A Corpus-Based Study"のタイトルで発表する予定であり、旅費等を必要とする。
また文献調査の資料等も必要である。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] The French Influence on Multiple Negation in Middle English: A Corpus-Based Study

    • Author(s)
      伊藤礼子
    • Organizer
      the 8 International Conference on Middle English
    • Place of Presentation
      スペイン ムルシア大学

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi