2014 Fiscal Year Research-status Report
英語学習者の母語の韻律特性が英語の強勢パターンの知覚判断に及ぼす影響
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24520558
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
菅原 真理子 同志社大学, 文学部, 准教授 (10411050)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 英語 / 語強勢 / 知覚 / 日本語母語話者 / 韓国語ソウル方言話者 |
Outline of Annual Research Achievements |
すでにH25年度までの実験結果において,母語話者の英語の語強勢知覚は,強弱パターンに判断が偏るのに対し,日本語(近畿方言および標準語)の母語話者の英語の語強勢の知覚は弱強パターンに判断が偏ることが分かっている.しかしこの弱強パターン偏向は日本語母語話者に特有なのか,それとも単に英語話者の知覚判断の強弱パターン偏向の度合いが高いので日本語話者が弱強パターンに偏って見えるのか,まだわかっていない.よってH26年度はこの疑問に答えるため,英語話者や日本語話者を対象に行った英語強勢の知覚実験及びアンケート調査と同じものを,日本語の近畿方言や標準語とは異なり,アクセントの有無や位置で語を弁別しない韓国語ソウル方言の話者を対象に重点的に行った.結果として27名の韓国語ソウル方言話者のデータが得られた.現在その結果を分析中である.さらに,本研究に関連する先行研究論文や書籍のデータベース化も同時進行で進め,現在もその作業を続けている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H26年度にはターゲット語が埋め込まれている文や句のリズムパターンがターゲット語の主強勢の位置判断にどう影響を及ぼすかについて明らかにする予定であったが,本研究は「日本語母語話者が英語の語強勢を判断する際の弱強偏向は日本語母語話者に特有なのか,であればそれはどこから来るのか」という疑問を解き明かすのが主軸であり,まずその疑問を解明してからでないとターゲット語周辺のリズム環境の影響に関しての研究に着手はできない.よって主軸の疑問点を解明することに専念した.
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度は得られた結果を論文にまとめ,ジャーナルにて発表していく.また,本研究に関連する先行研究論文や書籍のデータベース化も進めていく.
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Causes of Carryover |
当初,日本語話者と韓国語話者の英語の語強勢の違いは何に起因するかを検証するため,韓国の大学で実験を行う予定であったが,パイロット実験の結果,日本語話者と韓国語話者に違いがあるという前提自体を再検証する必要性があり,まずはその前提を検証するための実験を日本において韓国からの留学生を被験者として重点的に実施することとなった.それにより,海外への渡航費や宿泊費の執行がなかったため,未使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究内容に関連したデータ分析や,先行研究論文や書籍のデータ化などに従事するアシスタントへの支払い,さらに資料収集に未使用額を使用する.余裕があれば追加実験も実施し,被験者への支払いに未使用額を使用する.
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