2013 Fiscal Year Research-status Report
日本語を母語としない外国人生徒の読解力を育成するための基礎的研究
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24520571
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
五味 政信 一橋大学, 国際教育センター, 教授 (00225674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 圭 一橋大学, 国際教育センター, 教授 (40313449)
筒井 千絵 フェリス女学院大学, 留学生センター, 講師 (60594083)
庵 功雄 一橋大学, 国際教育センター, 教授 (70283702)
田中 牧郎 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語資源研究系, 准教授 (90217076)
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Keywords | 生活言語 / 学習言語 / 国語教科書 / 外国人生徒 / 学習指導要領 / 文化 / 習慣 |
Research Abstract |
横浜市教育委員会の協力によって2012年度に実施した生徒調査に加え、2013年度には東京都および神奈川県の支援団体に協力を仰ぎ、生徒調査の追加調査を実施し、データ量を充実させた。 また、初年度に計画していた、3学年×3教科書会社の中学国語教科書のコーパスのチェックを完了させ、分析に着手した。教科書分析は、生徒調査と同様、「漢字」「語彙」「文法」「背景」の四つの観点から説明文と物語文の特徴を分析し、その上で、その分析結果を生徒調査に照らし合わせ、外国人生徒の日本語の文章理解の問題点を明らかにした。 2013年度はそのうち「背景」の分析に特に進展が見られた。具体的には、①中学国語教科書の説明文の背景知識は、キーワードを中心に、知識がネットワークとしてつながった構造体であり、たとえば、背景知識がモノの場合、構造、機能、状況、種類、関連、地理、歴史、文化の八つの観点で整理すると、その広がりが見えてくること、②外国人生徒と日本人生徒が持っている背景知識で違いが生じるのは、文化的、社会通念に関わる事柄が多い一方、昨今のメディア媒体の発達により、テレビやインターネットで目にする事柄は共通認識が得られやすい傾向が見られること、③同じ外国人生徒でも漢字圏、非漢字圏でその下位項目に違いが見られる一方、日本生まれの生徒でも日本人生徒と違いが見られる項目があり、それら様々な違いは「生徒が接触する機会(接触場面)」という観点で捉えられることの3点が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2012年度に行った生徒調査は漢字圏の生徒が中心となっていたため、データを補充するために非漢字圏の生徒への調査を実施し、生徒調査のデータ量の充実が図れた。また教科書コーパスの構築及び各観点の分析も順調に進んでいる。ただし、教科書分析は形態素解析で観察される特徴には限界があり、言語コーパスを利用しつつも、内容を考慮した手作業での分析が多くなっているうらみがある。
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Strategy for Future Research Activity |
国語教科書の本文(説明文と物語文)を、外国語として眺めたときに特徴として考えられる現象を整理する作業を継続し、論文や学会での口頭発表を通して、研究成果を積極的に報告していく予定である。 また、その成果を反映した教材と手引書のサンプルを作成し、年度末には教材化に向けたワークショップを開催する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会発表のための旅費が2014年度にずれこんだため。 2014年度に当該の旅費を用いて学会発表を行う予定である。
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Research Products
(3 results)