2013 Fiscal Year Research-status Report
地域外国人のためのコンピュータ版日本語能力判定試験の開発
Project/Area Number |
24520576
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
村上 京子 名古屋大学, 国際教育交流本部国際言語センター, 教授 (00210005)
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Keywords | 生活者としての外国人 / 日本語学習支援 / 日本語能力 / レベル判定試験 / 書くテスト / コンピュータ・テスト |
Research Abstract |
今日我々の生活の中で、手書きによる「書く」行為は書類などへの氏名・住所などの記入に限られ、多くはコンピュータや携帯電話を使ったデジタル入力が中心である。そこで、工場などで働く地域外国人を対象とする日本語能力レベル判定試験「書く」テストにコンピュータ・テストを開発することを目的とした。 これまで氏名・住所・出身国・所属などを記入するシートや履歴書の志望動機欄、年賀はがきの宛名、挨拶文などを手書きする問題を含む「書く」テストを開発・実施してきたが、それに加えふだんコンピュータや携帯電話で日本語メールを送っている外国人のために、e-メール・テストを開発した。日本語使用状況調査から、地域外国人が日常生活で行うことの多い「問い合わせ」「誘い」「依頼」に関するコンピュータ・メール課題のほかに、携帯電話による「待ち合わせにおける遅刻の連絡」「荷物の受け取り連絡とお礼」などのメール課題を作成し、英語・中国語・スペイン語・ポルトガル語などに翻訳した。この課題をコンピューター上に載せ、課題を読んだあとに提示される入力画面に入力し、送信するとテスト・サーバーに保存される。携帯電話メール課題は、地域外国人本人の携帯電話を通してテスト本部へメール送信してもらう。保存されたメール文を採点するための判定基準を専門家6名に協力を仰ぎ策定した。実際に実施した23名分のデータを6名の評価者に採点してもらい、評価者間一致度を算出した結果、高い信頼性が得られた。さらに、多くの地域外国人に受験してもらい、改善していくために判定試験実施を広く呼びかけている。現在、本試験の実施・判定マニュアルを作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本語能力レベル判定試験の多言語版(英語・中国語・ポルトガル語・スペイン語・日本語)「書く」テストを作成する目的は達成できた。現在実施結果から改善作業を進行中である。各言語ごとの受験者数がまだ不十分なため、項目分析などが十分に行われていない言語がある。
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Strategy for Future Research Activity |
できるだけ多くの地域外国人に受験してもらい、本試験を普及していきたい。また、就労外国人が就職・昇進する際の指標として本レベル判定試験が活用できるよう、マニュアル等の整備をしていく予定である。
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Research Products
(4 results)