2014 Fiscal Year Research-status Report
日本語学習アドバイジングの基盤となるデータベースの構築と運用方法の開発
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24520587
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
黒田 史彦 首都大学東京, 国際センター, 准教授 (60579168)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 学習アドバイジング / データベース / ナレッジベース / 学習支援 / 日本語学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
自律的な日本語学習の実現を支援するため、日本語学習アドバイジングの理論的研究を進めると同時に、アドバイジング実践にも取り組んでいる。特に本研究では、実践者が各々の実践における工夫や知恵を持ち寄り、共有共用するためのリソースづくりに取り組んできた。このリソースは、アドバイジングの初心者からベテランまでが、実践上の困難に直面した場合に、必要な知識や実践方法を入手できる「拠り所」であるという点において、「ナレッジベース(Knowledgebase)」と呼べるものである。そこで、「ナレッジベース蔵(CULLA: Common Utilities for Language Learning Advising)」と名付け、多くのアドバイジング事例を集積しつつある。 ナレッジベースの構築面に関しては、2014年10月に基幹システムを勤務校内のサーバーに移動し、安定的な稼働が可能となった。システムそのものも、本来データベース・システムであるFile Maker Proからコンテンツ・マネジメント・システムに近いWord Pressに変更した。この変更により、従来よりも軽快にナレッジベースを稼働することが可能になると共に、データの追加や検索も容易になった。さらに、システムの運用コストも実質的にかからなくなったため、ナレッジベースを継続的に運用していく目途が立った。 ナレッジベースの運用面に関しては、学会等における研究成果の発信に伴い、多くの協力者から共有データやフィードバックが得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本語教育学会などにおいて成果を発表すると共に、デモンストレーションも実施し、「ナレッジベース蔵」に関する発信に取り組んできた。その結果、高い関心と多くの協力者が得られた。同時に、多様な実践現場から様々なフィードバックが寄せられ、ナレッジベース運用法の可能性が予想以上に拡がっており、ひとつの運用方法にまとめることが困難であることが分かった。したがって、当初予定していた運用マニュアルの作成とその翻訳版の作成が遅れてしまった。 また、データを振り分けているカテゴリーについても、様々な意見が寄せられ、試行錯誤を繰り返してきた。最終的に、過度に細分化するのではなく、また、余りに抽象的でもない、誰もが直感的に分かりやすいカテゴリーを設けることに落ち着いた。しかし、現在のところ、カテゴリーの最終案を反映できていないデータも一部残っているため、引き続き確認と修正が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
「ナレッジベース蔵」の運用方法については、多様な現場で利用可能になるよう柔軟性を持たせ、根幹部分のみをマニュアルにまとめる。その一方で、操作上の説明を詳細に記すことにより、利用者や協力者の便を図ることに努める。その後、翻訳版のマニュアルを作成する。 データ・カテゴリーの確認と修正については、研究補助者を増やし、集中的に作業を進めることにより、計画を完了させたい。 また、研究成果の発信については、国内だけではなく、国際的な学会でも発表できるよう準備を進め、成果の社会的還元に一層努めたい。
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Causes of Carryover |
多様な日本語学習アドバイジングの実践現場における運用に耐え得るように「ナレッジベース蔵」の改善に取り組んできたが、システムの改修やサーバーの移設に予想以上の時間を要してしまった。また、利用者からのフィードバックを反映させるためのユーザーインターフェイスの改善にも時間がかかってしまい、研究計画が遅れてしまった。これらの遅れに伴い、運用マニュアルの作成と翻訳を完成させることができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
システムの安定的稼働を継続させると共に、利用者向けのマニュアルに盛り込む内容を精査した上で日本語版を完成させ、その後に翻訳を通じてマニュアルの多言語化を図る。 データ・カテゴリーの確認と修正を進めるために、研究補助者を雇用して作業を進め、計画を完了させる。
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Remarks |
研究成果公開用WEBデータベースシステムへのユーザーインターフェース
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] ICT 日本語学習の支援とナレッジベース<蔵>2015
Author(s)
黒田史彦
Organizer
CASTEL/J: Computer Assisted Systems for Teaching & Learning Japanese
Place of Presentation
University of Hawaii, Kapiolani Community College, ホノルル、アメリカ合衆国
Year and Date
2015-08-07
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