2012 Fiscal Year Research-status Report
異文化間能力育成を目指した日本語教師養成と海外日本語学習者のオンライン協働学習
Project/Area Number |
24520592
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
北出 慶子 立命館大学, 文学部, 准教授 (60368008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清田 淳子 立命館大学, 文学部, 教授 (30401582)
坂本 利子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (90331115)
PETERSON Mark 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (90361732)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 韓国日本語学習 / 米国日本語学習 |
Research Abstract |
平成24年度に行った主な研究活動と成果は以下である。 1.海外日本語学習者と国内の日本語教育専攻学部生とのオンライン協働学習活動を設計した。韓国、中国、米国、カナダの4か国の日本語クラスの教員と活動設計を行い、とそれぞれパイロット活動を実施し、改善点を検討した。これにより、海外の日本語クラス担当者と今後の活動の継続の可能性、双方の学生にとってより意義のある学びのための課題を確認した。 2.オンライン協働学習活動に参加した日本語教育専攻学生からデータを収集した。データは、内省ジャーナル、振り返り活動中の会話、作業中ピアインターアクション、である。音声データは全て会話分析的手法により院生アルバイト生に依頼し、手法の説明会を開き、書きお越しを行った。パイロット研究としてこれらのデータを活かした論文を執筆中である。 3.2について日本語教育の過程における本活動の意義をアクションリサーチにて分析を行った。分析方法については、アクティビティ理論や教師のアイデンティティ成長理論について学会参加や最新論文から知見を深めた。単なる異文化間交流活動ではなく教育的意義の大きい活動を設計するため、このような理論的土台を固めておきたい。 4.日本語学習者と日本語教育専攻学生の交流活動とその学びについて研究分担者とともに大学研究所紀要に論文特集を組み掲載した。オンラインでの交流に限らずこのような取り組みが双方の学生にとってどのような意義を持つのかをグローバル社会で必要となる言語能力及び言語教師の在り方との関わりから確認し、意義を提示することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書にて平成24年度に行うと計画していた項目はほぼ実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に行う方策は以下である。 1.24年度に収集したデータの分析を深め、論文にまとめジャーナル掲載を行う。 2.24年度にパイロットで実施したオンライン協働学習の改善版を実施する。その中でも、海外の各日本語クラスとの交流期間が短く相手の学生の日本語学習コンテキスト情報把握が難しい点が課題として挙げられたことを受け、25年度は実際に短期研修で来日する韓国の学生団と事前にオンライン学習を行い、その後対面で協働学習を行うことを企画している。オンラインだけの交流の他にこのようなハイブリット型の活動形態の可能性や意義も25年度は分析を行う。 3.24年度に収集した日本語教育専攻学生側の音声データのコーパス化であるが、特殊な学びの形態であり一般公開よりは希望者への提供という方向で検討していく。理由としては、一般公開を目指すのであれば流通している文字書き起こしシステムを利用しなければならなく、それによって会話分析的手法の書き起こしの精密さが失われる可能性があるからである。 4.25年度の後半では、日本語学習者と日本語教育専攻学生の協働学習について研究会かワークショップを企画し、国内外での実践取り組みについての学び合いの場を提供したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、上記「今後の研究の推進方策」で述べた事項について以下のようにそれぞれ使用を計画する。 1.パイロット研究の論文掲載のための論文資料収集、英文校正費用、海外学会での発表のための渡航費 2.ハイブリッド型の活動検討実施のための論文資料費やインタビュー協力者への謝礼金、データ収集や書き起こしアルバイトへの謝礼金 3.研究会かワークショップのゲスト講師招聘
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