2013 Fiscal Year Research-status Report
異文化間能力育成を目指した日本語教師養成と海外日本語学習者のオンライン協働学習
Project/Area Number |
24520592
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
北出 慶子 立命館大学, 文学部, 准教授 (60368008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清田 淳子 立命館大学, 文学部, 教授 (30401582)
坂本 利子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (90331115)
PETERSON Mark 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (90361732)
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Keywords | 教師成長 / 異文化間技能 / 日本語教育 |
Research Abstract |
本年度の主要な成果は以下の5点である。 1.オンラインでの異文化間協働学習を通した日本語教師準備課程学生のピア活動時の会話を分析した。ネットで学習者と繋がりつつ、並行してオフラインでピア教師学生と行う協働学習時の会話は、教育実践「後」の内省とは異なり、教育実践「中」の内省である点が従来の内省活動にはない教師のメタ認知を促すという発見があった。この点について論文にまとめ、2014年秋出版予定の本の中に章として掲載が決まった。 2.デジタルメディアやテクノロジーを第二言語教育に活かすことへの挑戦がどのように教師の成長に繋がるのか、またそれはどのように分析できるのかについて研究を進めた。その結果、社会心理学分野で発展しつつあるTEMという質的分析アプローチに出会い、その手法を唱える研究者たちとの共同研究プロジェクトを立ち上げることになった。 3.デジタルメディアやテクノロジーを第二言語教育に活かす実践をしてきた教師の過去18年の成長を分析し、新しいメディアを教育実践に取り入れる中で教師自身がどのようにアイデンティティを変容させてきたか、またどのような要因が影響したのかを分析した。2014年3月の国際シンポジウムで本研究を発表した。 4.2014年3月に本研究プロジェクトで国際シンポジウムを開催し、80名を超える参加者を集めることができた。 5.日本語教師の成長と海外接触について言語文化教育学会においてセッションを実施し、関連テーマの院生研究や他研究者と発表と討議を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オフラインでの異文化間共同学習については、既にほぼ設計・実施が完成している。 海外日本語学習者との短期オンライン活動設計・実施もほぼ予定通りである。 異文化間会話の分析については、昨年記述したようにコーパス構築ではなく、 より社会学的な質的データでの分析手法に方向を変えた。
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Strategy for Future Research Activity |
オンライン、オフライン、各状況における異文化間接触が外国語学習者および第二言語教育の教師にとってどのようなアイデンティティ変容につながるのか、またアイデンティティ変容と言語使用の関係について研究を進める。 社会心理学分野の研究者との協力により、上記研究の分析手法を見出す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3月後半に開催した国際シンポジウム経費および3月後半に参加発表した国際学会(アメリカ)旅費に関する実際の支出が2014年度になったために、2013年度末時点としては残額が生じたため。 次年度使用額は、上記の3月後半に開催した国際シンポジウム経費および3月後半に参加発表した国際学会(アメリカ)旅費に当てる。 また26年度予算は、国際・国内の学会参加、インタビューデータの文字起こし謝礼金、ネット交流サイトの設置、データ分析手法研究会の講師謝礼金、ネット交流相手となる大学と教員の訪問、等を計画している。
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