2014 Fiscal Year Research-status Report
異文化間能力育成を目指した日本語教師養成と海外日本語学習者のオンライン協働学習
Project/Area Number |
24520592
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
北出 慶子 立命館大学, 文学部, 准教授 (60368008)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清田 淳子 立命館大学, 文学部, 教授 (30401582)
坂本 利子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (90331115)
PETERSON Mark 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (90361732)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 学習者変容 / 社会文化アプローチ / 教師成長 / ナラティブ / ライフストーリー / 異文化接触 |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度は、異文化接触を通した日本語教師及び日本語学習者の変容・成長を捉えるための分析手法に重点を置いて取り組んできた。 特に文化心理学で開発されたTEA(複線径路・等至性アプローチ)を言語学習者および言語 教師の変容分析に導入する工夫として、開発者である心理学研究者の協力のもと「TEAとことば」の研究会も立ち上げ、6月と2月に計2回の研究会も開催してきた。研究会に来て参加された研究者の中から有志で「言語文化教育学会」パネル企画も実施し、TEAを用いた研究の意義や研究基準の必要性について討論してきた。「日本心理学会」でのシンポジウム企画も行い、また本プロジェクトの内容についてHPも作成し、応用言語学分野へのTEA及び質的研究の発展を目指してきた。 論文としても言語教育としてのIT(Computer Assisted Language Learning)という過去18年の大きな変革を日本語教師がどのように捉え成長を遂げてきたかをTEAで分析したものがCALICO journalの査読を経て掲載が決まった。TEAを用いた研究の言語学習関係での国際雑誌論文としては初めてものとなり、編集者からも期待の声をいただいた。 以上のように第二言語・外国語学習分野にTEAを導入することで今まで分析できなかった異文化接触や新しいコミュニティに参与することを通した人間の成長と言語学習の関係を明らかにするための第一歩を踏み出し、本プロジェクトの開始段階から1歩上に展開することができたと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロジェクト遂行にあたり、適切な分析手法を見出すことができ、またその開発者が偶然同大学教員であったことから多大な協力を得ることができたから。
|
Strategy for Future Research Activity |
異文化接触の研究においてオンラインでの接触に当初は拘っていたが、それも含めた各学習者や教師の人生における異文化接触経験までも分析範囲に入れた研究が必要であると考え、より長期的かつ包括的な分析に軌道修正することにした。今年度は、異文化接触が「長期的に」どのように学習者や教師の変容・成長に繋がるかを課題とし、その研究手法及び人間の成長を社会文化的に捉える文化心理学の理論を融合した研究に取り組んでいく。
|
Causes of Carryover |
2015年3月にアメリカ応用言語学会の発表を予定していたが、家庭の事情により参加できなくなった。その分、2015年6月の国際言語研究学会 (International Society for Language Studies)発表に応募し、採択されたので発表を予定している。アメリカでの国際学会発表のための出張費用として意図的に残していたため、2015年6月発表分として27年度に使用するととした。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
上述のように2015年6月の国際言語研究学会 (International Society for Language Studies)発表の出張費用及び準備のための英文校正費として執行する予定である。
|