2013 Fiscal Year Research-status Report
日本語・中国語・韓国語母語話者による英語前置詞の第二言語習得研究
Project/Area Number |
24520613
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
奉 鉉京 信州大学, 全学教育機構, 准教授 (50434593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 鉱三 信州大学, 高等教育研究センター, 教授 (20169501)
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Keywords | 第二言語習得 / 英語前置詞 / 日本語母語話者 / 韓国語母語話者 / 母語影響 / 習得難易度 |
Research Abstract |
本研究は、日本人、韓国人、中国人にとって、難しいとされる英語前置詞習得研究を行い、徹底的に「母語の影響」・「中間言語」・「習得難易度」・「習得可能性」を特定すると同時に、英語・中国語の前置詞と日本語・韓国語の助詞(後置詞)の統語的・意味的特性(Lemmatic Properties)を考察・分析する理論研究を本格的に行うことを目標とする。 本年度には、実験研究として、日本では日本語母語話者を対象に本実験を2回行った (同じ実験を異なる二つの被験者集団:一回は予備実験対象者に、もう一回は予備実験を受けていない対象者)。さらに、夏休み、春休みの期間に、韓国に行き、韓国語母語話者を対象に、 本実験を3回行った。本実験の遂行により得られたデータを入力し、データの結果を纏め、分析を行った。 実験の結果やデータの分析から、前置詞の習得難易度には日本語母語話者と韓国語母語話者の間には大きな違いが見られなかった。さらに、母語の影響は顕著ではなく、むしろ動詞の種類や文の種類の役割が大きいことなどがわかった。誤発達の例が多く発見された。特に、日本語母語話者の誤発達と韓国語母語話者の誤発達が体系的で、類似していることなどを発見した。 その結果などについて、国内・国外の研究者と意見交換し、その成果等を報告(研究発表・論文執筆)しました。文献研究及び韓国語の助詞の実例を分析し、統語的・意味的特性を記述しながら、韓国語の「機能語、語彙語、調和類、中間類、拡散類」の分布図を立案したものを実験研究のデータや結果分析に利用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
韓国における実験研究の時期を合わせる為に、3回以上事前打合せをおこなったが、被験者の数が日本での実験で集めた人数より少ないデータしか収集することができなかった。それは韓国では、被験者、主に大学生たちの都合が優先され、ボランティアではなかなか被験者を集めることが難しかった。そのため、思ったほどの被験者の数が集まらなかった。実験の被験者の数を増やし、日本語母語話者の数と合わせるため、もう一度韓国での実験研究の為に渡航を計画していること以外はすべて、計画通り進んでいる。また、成果発表を計画している時期に合わせてあるので経費の配分には問題もない。
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Strategy for Future Research Activity |
実験研究の信頼性と信憑性を得るため、被験者の確保により力を注ぐつもりである。まず、 実験の韓国語母語話者の被験者の数を増やすため、もう一度韓国での実験研究の為に渡航を計画していることについて、今年度(平成26年度)韓国で行われる学会で成果発表を計画していたので、韓国での実験研究をその学会の時期に合わせて準備を済ませており、経費の配分には大きな問題もない。さらに、実験研究の結果分析の側面からは、外国で行う実験研究では、特に問題がないが、データ分析における「統計処理」(ANOVA)に最低限必要な被験者数より増やす計画を立てている。
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