2015 Fiscal Year Annual Research Report
日本語・中国語・韓国語母語話者による英語前置詞の第二言語習得研究
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24520613
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
奉 鉉京 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (50434593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 鉱三 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 教授 (20169501)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 第二言語習得 / 英語前置詞 / 母語役割 / 習得難易度 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年に加え、実験データの信憑性をあげる為、被験者の確保し、実験研究を数回行った。韓国語母語話者を対象に、韓国・日本における実験研究を遂行した。さらに、中国語母語話者を対象に中国・日本における実験研究を行った。その結果、より多くの実験データ獲得し、その結果を日本語母語話者による英語前置詞の第二言語習得研究の結果と比較・分析した。 実験データから、母語の違いに関係なく、日本語母語話者、韓国語母語話者、中国語母語話者にとって、最も習得しやすい前置詞はofであることを発見した。意味特性が薄く、機能的特性が強い範疇とされるofが母語の種類に関係なく習得しやすい。一方、ゼロ次元の点という意味的特性を持つとされるatは、中国語・日本語・韓国語母語話者にとって一番難しい前置詞であるように思える結果を得た。その理由について母語の影響では説明できないが、atの統語的・意味的特性に加え、文におけるatの役割、他の構成素、特に上位範疇(HEAD)の役割が重要な役割を果たすと議論する『ミニマリスト言語習得モデルMinimalist Model of Language Acquisition』とその仮説(Lemmatic Transfer Hypothesis、Causal Factors Hypothesis、とFeature-Reconstruction Hypothesis) (奉 2009,2011,)を支持する結果を得た。中間言語においてFeature-Reconstruction Hypothesisによる誤発達(Misdevelopment)の現象が考察された。さらに、前置詞が具現された文の構造(Lemmatic Properties)に加え、習得・学習環境(Causal Factors)も何らかの役割を果たしていることがデータによって、示唆された。 いわば、日本語母語話者・韓国語母語話者・中国語母語話者に英語前置詞の第二言語習得における、母語の役割、習得難易度、中間言語、習得可能性などについて実験研究データを分析した結果を国際的会議及び雑誌に投稿した。
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