2013 Fiscal Year Research-status Report
モバイル端末で稼働する音声認識システムを活用したドイツ語発音自律学習環境の構築
Project/Area Number |
24520618
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩居 弘樹 大阪大学, 全学教育推進機構, 教授 (20213267)
|
Keywords | 音声認識 / ドイツ語 / 発音練習 / アクティブラーニング / モバイル端末 / 自主学習 |
Research Abstract |
今年度は初年度に引き続き、ドイツ語初級クラスでモバイル端末の音声認識システムを用いた発音学習・発音指導を行うためのデータ収集を行った。データ分析の結果、ドイツ語初学者が高い確率で正しく認識されることができるテキストと、正しく認識されることが難しいテキストのパターンがあることが明確になった。また初年度と同様、教員の指導だけではなく、学習者自身の試行と考察により発音が改善されるというケースが多数見られた。授業実践でとりわけ顕著だったのは、学生のモティベーションの変化である。音声認識アプリと合成音声(Text to Speech)アプリの併用で、学生が自主的に積極的かつ長時間にわたり発音練習をするようになった。さらにオンライン・テキストデータベースの活用によりドイツ語表現の検索が手軽にできるようになったこと、ビデオ撮影アクティビティの併用による成果発表など、外国語教育の新しい方向性が見えてきている。 一方、音声認識システムを使った発音練習の問題点も明らかになってきた。音声認識サービスの特性上単語単体での認識は難しいことが多いため、ミニマルペアによる練習はできない場合が多い。また、文中に不正確な発音の語があった場合でも文として正しく認識されるケースも見られるため、指導の際に注意が必要である。 本年度は外国語教育メディア学会やPaperless Conferenceで当該研究についての経過報告を行ったほか、ドイツ、ゲーテ・インスティトゥート主催の国際シンポジウムやでの基調講演、中国語教育学会での招待講演などでも音声認識サービス活用の可能性を報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
学生が学習したドイツ語を音声認識システムを利用して発音チェックを行い、その認識データを収集・分析した結果、ドイツ語初学者が高い確率で正しく認識されることができるテキストと、正しく認識されることが難しいテキストのパターンがあることが明確になった。さらに、オンライン・テキストデータベースの活用とビデオ撮影アクティビティの導入により、音声中心の外国語学習に新しい方向性が見え、実証実験を行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
発音トレーニングナビゲータを構築して発音学習の半自動化を目指し、これに加えて、学習者のモチベーションの向上と事項修正の可能性に重点を置き、研究代表者が実施してきたビデオ撮影アクティビティと組み合わせた授業法の提案を行う方向で研究をまとめる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた海外調査が都合により取りやめとなったため 前年度に実現できなかった音声認識サービス利用に関する専門家、実践者へのインタビューや当該研究のレビューのための国内ないし海外渡航費として使用する
|