2014 Fiscal Year Annual Research Report
言語処理技術と多変量解析を用いた中間言語の全体像の解明―新しい研究手法の確立
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24520631
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
阿部 真理子 中央大学, 理工学部, 准教授 (90381425)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 学習者コーパス / 話し言葉 / 書き言葉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本人英語学習者の習熟レベルを一定の精度で判別できる項目を特定することを目的とする。最終年度は、学習者の話し言葉と書き言葉のちがいを判別できる言語項目の特定を目指している。一つのデータベースを多様な言語項目から分析するだけではなく、異なるデータベース(話し言葉 vs. 書き言葉)を比較することによって、日本人英語学習者の言語使用の特徴を明らかにした。 そこで、日本人英語学習者だけではなく東アジアにおける英語学習者の作文を収集したアジア圏英語学習者コーパス(International Corpus Network of Asian Learners of English: ICNALE)を分析した。ICNALEから、香港、台湾、韓国、および日本の英語学習者(大学生)が産出した英文エッセイのデータを抽出し、それぞれのグループにどのような言語的使用の特徴があるかを探った。さらに、学習者の母語と英語習熟度レベルのちがいによって、どのような類似点や相違点が見られるのかという観点からも分析を行った。 その結果、言語使用の特徴によって3つのグループに分かれることが明らかになった。日本人英語学習者は東アジアにおける他の英語学習者とは一線を画し、1つのグループを構成しており、その言語使用の特徴が明らかになった。具体的には、日本人英語学習者が偏用しがちな(過剰使用する)項目は「1人称代名詞」、「現在形」といった話し言葉に特徴的なものであった。またあまり使用しない(過少使用する)項目は「限定形容詞」であった。 さらに、英文エッセイのトピックが使用言語にどのような影響を与えるのかについての分析を行い、その結果、英語学習者が産出する英文エッセイは、トピックの影響を受けることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)