2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520635
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
侯 仁鋒 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (50551298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 浩明 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (00239162)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中国語検定試験 / 発音の測定 / 言語テストの妥当性 / 言語テストの信頼性 / 公正 |
Research Abstract |
研究計画の通りに、言語テスト理論を把握し、中国語検定試験3級の問題をデータベース化して検討した。そのうえ実証研究を行った。成果として、研究論文を2本発表した。1本は査読付きの学会誌で、もう1本は本学の学部紀要である。 論文1:試析日本漢語検定考試3級語音測試(日本中国語検定試験3級の発音測定についての考察)『中国語教育』第11号 P88~106 2013年3月。以下はその要旨である。中国語検定試験3級は、筆記試験において41問のうち、発音を測定する問題が10問もあり、率にして24.3%占めているので、発音重視の意図が伺える。中国語の発音の言語構成の規則と日本人学習者の間違いやすい点を出題の基本として出された課題は、試験の妥当性が高く維持されていることが分かる。一方、試験の妥当性と信頼性を些か損ないそうなところに3点気づいた。1.漢字語から発音を無視して直接に声調を測る問題は初級者にとってふさわしい形式とは言いがたい。2.ピンイン表記の課題では、中国語にありそうもない音節を無理やり作り出して、言語構成の規則に反する例が多く見られる。3.選択肢に変量(要素)個数が多いので何を測ろうとするかが不明確になる。そのため、発音測定の妥当性が損なわれる可能性がある。 論文2:テスト理論と実践から見る中国語検定試験―その3級を中心に『県立広島大学人間文化学部紀要』第8号 P115~129 2013年3月。本論文は、「古典的テスト理論」の考え方及びその実践に基づき、具体的に①妥当性と信頼性、②基準参照テストと集団参照テスト、③客観テストと主観テスト、④間接テストと直接テスト、⑤分離テストと統合テスト、⑥記憶テストと識別テスト、⑦難易度と識別力といった視点から中国語検定試験について全面的に検討を行い、大型試験として何が大事か、どうすべきかなどを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由としては、①言語テストの理論と関係論文などを把握した。②中国語検定試験3級の試験ペーパー計9回分を検討した。③実証研究の仮アウトラインを立てた。④その可能性を語学と言語テストの専門家に見解を求めた。⑤実証研究を行った。⑥成果として論文を2本まとめ発表した。と挙げられる。 『中国語教育』11号に発表した「試析日本漢語検定考試3級語音測試(日本中国語検定試験3級の発音測定についての考察)」論文は、査読結果で「発音試験問題の作成において、多くの示唆を与えており、改善のヒントが得られる内容である、評価できる。」というコメントをもらったから、達成度が高いと言えよう。 もう一本は、古典的テスト理論(Classical Test Theory)」の考え方及びその実践に基づき、中国語検定試験3級は大型試験だとう基本認識で、多角からその性格、課題などを分析することによって、今後の改善方向を示唆した。研究の目的にそった研究であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
選択肢の作成を研究課題として、研究対象の3年間計9回のテストの問題を調査し、その成否をまとめようとする。 基本的に実証研究を行う。そのため、①模擬テストの統計と分析に必須のマークシート式の読み取り機(OMR)と高速自動採点ソフトウェアの購入費用として約56万円を計上している(最も安価なシステムを選択している)。②専門家訪問・アンケート調査のため中国へ出張する。③データベースの充実と調整を行い、それを使うソフトを購入する。④研究成果として国内で発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終年度の26年度は、①国内外でアンケート調査と研究発表を行いたいので、費用は主に旅費(150,000円)と模擬テストの実施にかかる諸費用(140,000円)である。②研究報告の印刷、論文別冊、消耗品などで費用(280,000円)がかかる。③データベースの管理と維持の報酬(330,000円)であると予定している。
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Research Products
(4 results)