2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520635
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
侯 仁鋒 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (50551298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 浩明 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (00239162)
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Keywords | 中国語試験 / 客観問題 / 選択肢の作成 / 錯乱肢の作成 |
Research Abstract |
計画の通りに、今年度研究を進めた。具体的に下記の通りである。 ①今年度では、まず「中国語基本語彙使用頻度統計ソフト」を開発し、それにより中国語検定試験3級の使用語彙を調査し、試験内部の難易度、異なる試験間の難易度を把握したうえで、その安定性を考察した。②実証研究として、3級の模擬テストを複数回行い、その結果を今年度に購入した「自動採点読み取り機(OMR)」を使って、統計して、回答率、各選択肢の被選択率などのいろいろなデータを取得した。③中国語教師を対象にアンケートを実施した。④上述した①、②と③を踏まえて、研究論文をまとめ、査読付きの学会誌に投稿の上、採用された。 論文のタイトル:試析日本漢語検定考試3級試題選項的編制(日本中国語検定試験3級の選択肢作成についての考察)『中国語教育』第12号 P136~150 2014年3月。以下はその要旨である。 中国語検定試験(3級)は、大型試験としてその信頼性の確保や採点の制限などで、多肢択一という客観問題の形式を取らなければならない。このような客観問題の作成は、一見易しそうだが、実際には非常に困難が多いとされている。試験の成否は出題の内容と形式(主に選択肢)の妥当性に左右されるところが大きい。そこで、多数の先行研究を踏まえ、多肢択一の客観問題の作問の基本要領及びそのテクニックを整理し、それに基づいて3級の選択肢の妥当性について分析を行った。その結果、適切な選択肢からなる良質な設問が多く、特に課題文は自然な中国語であり、設問ポイントもバランスよく配置されており、形式も安定していることが確認された。しかし、一方で、選択肢の作成において見逃された改善すべき点もいくつかあることが分かった。そこで、その原因と改善策を示唆して、より良い問題の開発につなげようというのが本論文の狙いである。 このほか、国内と中国での口頭発表を2回行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究の目的」の達成度が高い。理由としては、以下の通りである。 一、 ①今年度では、まず「中国語基本語彙使用頻度統計ソフト」を開発し、それにより中国語教科書の語彙、中国語検定試験3級の使用語彙を調査して、試験と常用語彙表の相関性、試験と教科書の相関性を考察して、基本データを得た。②実証研究として、3級の模擬テストを複数回行い、その結果を今年度に購入した「自動採点読み取り機(OMR)」を使って、統計して、回答率、各選択肢の被選択率などのいろいろなデータを取得した。③中国語教師を対象にアンケートを実施した。④上述した①、②と③を踏まえて、研究論文をまとめ、査読付きの学会誌に投稿し、採用された。 二、 ⑤さらに①のデータに基づいて、次年度で『試験と常用語彙表の語彙・教科書の相関性についての考察』という論文を準備する予定である。⑥また、次年度で①と②のデータを利用して、試験内部の難易度、異なる試験間の難易度を把握したうえで、その安定性を考察する論文を準備する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の通りに、更に広範囲のアンケート調査を実施し、また、別の同じレベルの学習者に、模擬テストに参加してもらうことにより、すでに取得したデータを検証する。前の2年間の研究を踏まえて、研究の締めくくりとして、以下の二つの論文を発表する予定である。 ①種々のデータによる日本中国語検定試験3級の安定性についての考察 ②試験と常用語彙表の語彙・教科書の相関性についての考察 これらを推進する目的で、予定の経費を利用する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
人件費・謝金が予定より低く、残金が生じた。次年度に繰り越して利用する。 最終年度の26年度に、費用は、主に①データベースとソフトの管理と維持の報酬(23万円)、②模擬テストの実施にかかる諸費用(14万円)、③国内外でアンケート調査と研究発表を行う旅費(15万円)、④研究報告の印刷、論文別冊、消耗品などで費用(18万円)と予定しており、計70万円と見込んでいた。前年度までの残金は模擬テストおよび旅費に充てる予定である。
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