2014 Fiscal Year Annual Research Report
英語はなぜ速く聞こえるのか?-日本人が知覚している英語の速さに関する研究
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24520645
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
広実 義人 目白大学, 外国語学部, 教授 (30269469)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 速度知覚 / 単語親密度 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度の主たる仕事は実験データの分析と国外での研究成果の発表であった。以下のとおり、2度の研究発表を行った。 1)日本人英語学習者、モノリンガル英語母語話者、バイリンガル英語母語話者、および日本語以外を母語とする英語学習者に35個の短い英文を聞かせ、それぞれの速さを7段階で評価させた。実験データを分析し統計的に検定したところ、日本人英語学習者は英語母語話者より英語を速いと知覚していることがわかった。また、日本人英語学習者のみならず、日本語以外を母語とする英語学習者も英語母語話者より英語を速いと知覚していることがわかった。その一方で、モノリンガル英語母語話者とバイリンガル英語母語話者が知覚している英語の速さには有意な差が認められなかった。以上の研究結果を2015年2月テキサス大学サンアントニオ校で開催された16th Annual TexFLECで発表した。 2)日本人英語学習者、日本人英語未修得者、英語母語話者に、親密度の異なる英単語からなる4つの英文を聞かせ、それぞれの速さを一対比較法を使い相対的に評価させた。実験データを分析し統計的に検定したところ、いずれの被験者グループも、親密度の低い単語からなる英文を親密度が高い単語からなる英文より速いと知覚していることがわかった。しかしながら、知覚された速さの差には違いがあり、日本人の方が英語母語話者よりより大きな速さの差を知覚していた。また、日本人英語未修得者は、日本人英語学習者や英語母語話者が知覚していない速さの差まで知覚していた。これらの結果から、単語親密度が英語の速さの知覚と密接に関係していることがわかった。以上の研究結果を2015年3月アリゾナ大学で開催された14th Annual Second Language Acquisition and Teaching Roundtableで発表した。
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Research Products
(2 results)