2012 Fiscal Year Research-status Report
E-Learning教材における英文読解時の視線動向に関する研究
Project/Area Number |
24520649
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
宍戸 真 東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (20247084)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 視線計測 / 眼球動向 / 英文読解 |
Research Abstract |
E-Learning教材Effective Readingを利用した日本人学習者の英文読解活動における研究として、英文読解活動における視線計測により、眼球運動の特徴についての分析を行った。TOEIC 800点以上の上位グループ、500点前後の中位グループ、300点以下の下位グループの3つのレベルの日本人英語学習者を対象に、英語習熟度の違いによる英文速読時の視線動向の特徴の違いを、視線の停留、移動などの特徴から比較、分析した。それぞれのレベルの学習者における読解活動、眼球運動、メタ認知的モニタリングとの関係を分析し、どのような違いが見られるか実験を行った。 実験では、ナック社製視線計測装置EMR-9を利用し、Effective Readingの各練習問題が表示される際の日本人学習者の英文読解活動時における視線動向を測定した。その結果を付属の解析ソフトEMR-dFactoryで分析し、3つのレベルの学習者の英語習熟度の違いによる英文速読時の眼球運動の特徴を比較した。 上位グループでは、停留、移動などに一定の規則性が見られ、読解ストラテジーを利用して、英文をセンスグループごとに読み進んでいることが推測できる。しかしながら、中位、下位グループには規則性はまったく見られず、ストラテジーなどを利用せず、センスグル-プごとに読むというよりは、読みやすいところでは速く、わからない単語や読みにくいところでは停滞するというような、行き当たりばったりで英文を読み進んでいる傾向が見られた。 この結果から、上位レベルの学習者の読解活動、眼球運動をひとつの理想型モデルとして、そのような視線動向を養成するためには、どのような形式での教材提示が効果的であるかを探求し、今後のE-Learning教材開発の参考としたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TOEIC 800点以上の上位グループ、500点前後の中位グループ、300点以下の下位グループの3つのレベルの日本人英語学習者を対象に、英語習熟度の違いによる英文速読時の視線動向の特徴の違いを、視線の停留、移動などの特徴から比較、分析した。それぞれのレベルの学習者における読解活動、眼球運動、メタ認知的モニタリングとの関係を分析し、どのような違いが見られるか実験を行った。 上位グループでは、停留、移動などに一定の規則性が見られ、読解ストラテジーを利用して、英文をセンスグループごとに読み進んでいることが推測できる。しかしながら、中位、下位グループには規則性はまったく見られず、ストラテジーなどを利用せず、センスグル-プごとに読むというよりは、読みやすいところでは速く、わからない単語や読みにくいところでは停滞するというような、行き当たりばったりで英文を読み進んでいる傾向が見られた。 このように英語習熟度の違いによる英文読解時の視線動向の特徴の違いが明らかとなっており、本研究は概ね順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
Lesson Testにおける英文読解問題に取り組む際の読み手の読解プロセスにおけるメタ認知的モニタリングの行動としてあげられる、awareness, feeling, prediction, checking, evaluation, goal setting, planning, revisionなどのさまざまなストラテジーの行使において、眼球運動、視線動向との関連について分析する。 日本人学習者にとって英文をより速く読む能力を身につけるために有益な教材提示方法はどのようなものか、今後のE-Learning教材開発に活用し、近い将来、Effective Readingの改良版を作成する際に役立てる。この結果から、上位レベルの学習者の読解活動、眼球運動をひとつの理想型モデルとして、そのような視線動向を養成するためには、どのような形式での教材提示が効果的であるかを探求し、今後のE-Learning教材開発の参考としたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
継続的なデータ収集のための被験者への謝金、学会での成果発表のための旅費として、主に研究費を利用する。
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