2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520661
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
ROSE Ralph 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (30404916)
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Keywords | 第二言語習得 / 躊躇現象 / コーパス / 流暢さ |
Research Abstract |
本研究は、今年度第2段階に入り、録音の筆記と注記をより深く実施し、その分析や公開を行った。最初に研究補助者を二人募集した。一人は前年度からの継続者で、ガイダンスや指導がより簡単であった。そして、今年度の作業は前年度完了した筆記をベースとして、発話のタイミングを注記することであった。それぞれの発話者の録音を発話部分と休止部分とに分けて注記した。この作業は、最初の段階では自動的に出来る機能があったが、次に確認の必要があり、非常に細かい作業で時間がかかるものであった。それを完了し、次の段階として、発話部分を単語ごとに分ける作業を始めた。しかし、今年度末までに英語の録音の3分の2しか完了してない。次年度に英語の残りと日本語録音の分を済ませる予定である。 現在までのデータの分析も行った。その結果、第2言語発話速度はより上達した発話者の方が早いこと、第1言語発話速度と相互関連あることが判明した。無声休止の速度も同じであった。しかし、第2言語発話の無声休止の長さは第1言語と相互関連はなく、より上達した発話者の方が短くなることが分かった。この結果から、第2言語の上達度や流暢さを測る際に重要なのは、無声休止の長さであることが確認される。 この結果を学会や研究会で発表した。メインとして、国際発話通信協会(ISCA)という学会で発表し、議事録に論文を掲載した。この学会の専門分野は発話技術などで、その大会は非常に大きなものである。論文で本研究のコーパスの構成や結果を述べ、国際的に公開することができた。他には、本研究のウェブサイトでコーパスのファイル、データ、結果を公開することにより、他の研究者や教育関係者と交流することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的は、今年度内に発話者の録音全て(英語と日本語)の筆記と注記を単語ごとのタイミングまで完了する予定であった。しかし、英語の3分の2の録音しか完了していない。理由は二つある。一つは、技術的な問題があった為、発話者の録音の筆記と注記を何件かやり直す必要があったことである。そしてもう一つは、発話者の中に発話速度の速い者もいたため、単語ごとのタイミングを分解する作業が予定より長い時間かかったことである。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度には、まず研究補助者を計画通り4人募集する。次に、初めに残りの英語と日本語の録音の単語ごとのタイミングを分解する作業を完了する。そして、次年度の本作業として、計画書に述べた第2実験を始める。この実験では、本研究の現在までの結果をベースとして第2言語習得者の流暢さを改善するような教育方法を実験する。教材を開発し、実験者に利用させて発話練習を数週間行わせる。実験の始めと最後に発話テストを実施し、後でテストの筆記と注記を行う。そのデータを分析して、結果を国内と海外の学会で発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究は段階ごとに進んでいる。段階の途中で研究補助者が変わるとデザイン的に問題となるため、今年度の作業を少し早めに中断して次の段階を次年度に延期した。 次年度に研究補助者の募集が終わり次第、段階的に残りの筆記と注記の作業を続ける。
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Research Products
(5 results)