2012 Fiscal Year Research-status Report
ブレンデッドラーニングを教場とした第二言語に於ける対話能力向上を促す学習法の解明
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24520662
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田中エリス 伸枝 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (70593698)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ブレンデッドラーニング / コンピュータ支援言語教育 / 英語教育 / ノンヒューマンアクター |
Research Abstract |
本年度の研究目的は1)ブレンデッドラーニング(BL)環境でのヒューマン(HA)とノンヒューマンアクター(NHA)を特定する事;2)Competentと考えられる英語のスピーチの特徴をあげ、その中で最重要からそうでないものまでランクする;3)BL環境下で第二言語を向上させるタスクとフィードバックをデザインする;4)BL環境で効率的なタスクとフィードバックデザインの仮説を立てる事であった。 まずBL環境でのHAはクラスの学習者と教師だが、NHAはAcror-Network Theory(ANT)の定義ではその環境に存在する全ての物や概念などが含まれる為、全ての目に見える物を対象としその中で授業に直接関係する物とした。又BL特有のものかどうかでコンピュータのない従来クラスで同じ授業内容を2週に渡り見学しその特徴と比べた。その結果BL特有のNHAとしては一人一台のコンピュータ、回転イス、スクリーンの伸縮可能な台、二人用コンピュータデスク、キーボード等があった。従来クラスと共通するNHAは教科書、紙、筆記用具があったが、BL環境ではグループワークの際に筆記用具はあまり使われずスクリーンを回転させ其々の分担箇所の成果を説明し合っていた。この点から従来クラスとタスクが同じでもそこに行き着く課程が大幅に異なっていた事が分かった。またcompetentなスピーチの特徴としては子音がきちんとできていることが一番の特徴であったが声の大きさもあった。これは声が消えそうに小さい場合何を言っているのか全く分からない為である。英語を話す時のみ声が小さく不明瞭になる学習者がかなり多い事もわかった。今年度はタスクとフィードバックは該当コース従来のフィードバック方式(アセスメントシート返却)にとどまった。応用言語学やでANTを使用した分析は本研究が初めての試みなので、EuroCALLとALAAの学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の目的の達成度やや遅れていると考えられる。本年度の研究目的の1)ブレンデッドラーニング(BL)環境でのヒューマン(HA)とノンヒューマンアクター(NHA)を特定する事;2)Competentと考えられる英語のスピーチの特徴をあげ、その中で最重要からそうでないものまでランクする;3)BL環境下で第二言語を向上させるタスクとフィードバックをデザインする;4)BL環境で効率的なタスクとフィードバックデザインの仮説を立てるのうち、1と2のBL環境におけるNHAの特定ができcompetentなスピーチの特徴が分かったが、BL環境下での効果的なフィードバックのデザインは現在構築中である。これには二つの要因がある。一つ目は当初予定していた1学期目にタスクフィードバックを実行し、2学期目にそれの修正版を実行し効果的なフィードバックデザインを構築することになっていたが、1学期が終わった後デスクトップからラップトップにコンピュータのアップグレードが行われ全く違った環境になってしまったことで、ノンヒューマンアクターが変わったこと。また、2学期では新しいコンピュータ導入で音がでなかったり色々トラブルがでてきて、良いデータをとるのが難しかったこと。もう一点は授業をしながらデータを集める事の難しさに直面した。これはビデオカメラを三台設置し、会話のオーディオも同時に録音する予定になっていたが、授業をするのに集中するとカメラの操作まで細かくするのが難しくカメラを二台しか設置できないこともあったり、2学期目は特に途中でコンピュータの不具合や操作の仕方がわからなかったりして授業中に何回も技術者を呼ばなければならなかったり、英語のOSと日本語のOSが選べるようになったが使えるファンクションが違い、それが分かるまで時間を要したことがあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はコンピュータルームの環境が整ったのとソフトウェア等の問題もほぼ解決したので安定してデータの収集ができるようになった。また、授業に集中するためにリサーチ補助者を雇用した。授業は全て英語で行われるため、リサーチ補助者は英語だけでコミュニケーションがはかれる者を雇用し、学習者が日本語で補助者に質問しても英語だけで返答するように指示した。また、リサーチ補助者は3台のカメラと音声のデータの収集のほか、オブザベーションノートもつけて貰う事にし、教師がみえていないクラスのアクティビティ等の特徴等の報告もしてもらうことによりリサーチに客観性をもたらすものと考える。また、リサーチ補助者が加わったことによりヒューマンアクターが一人増え、カメラが安定して常にあることを考えるとANTの分析をもう一度行うべきなのでそれを実行する。計画当初、研究者が所属する箇所が開発したオンライン学習システムと大学側が提供するLMSのシステムを両方使用する予定だったが、所属箇所のオンラインシステムは古くなってきており、現在のOSに対応しきれなくなっているので大学側のシステムだけに絞り、それを使用したタスクやフィードバック方法の仮説を構築することにした。今年度はまた、同じ教科のクラスが二つあり、両クラスの学習者のレベルはTOEICのスコアでは大体同じなので、同じ内容を指導しながら片方はコンピュータを使用したタスク、もう片方のクラスは同じタスクだがコンピュータを使用しない等で使用で学習習熟度を測る予定である。それによってタスクタイプとフィードバックの効果を特定していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は主にリサーチ補助者の人件費と学会等の旅費に使用する予定である。5月にはComputer Assisted Language Instruction Consortiumの学会参加が決まっており、7月にあるThe European Conference of Technology in ClassroomとThe European Conference on Language Learningには3月に参加のアクセプタンスが来ている。その他では、リサーチ補助者が使用するデータ書き起こしのために使用するヘッドホン、ハードディスク等のメモリの購入や図書の購入を予定している。
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Research Products
(3 results)