2012 Fiscal Year Research-status Report
Webから獲得した言語知識をベースとするインタラクティブな外国語学習法の開発
Project/Area Number |
24520668
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
野澤 元 京都外国語大学, 外国語学部, 講師 (30450696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 大輔 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (10450694)
李 在鎬 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (20450695)
渋谷 良方 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (70450690)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 教育工学 / 言語学 / 情報工学 |
Research Abstract |
【問題アイテム作成班】 コアアイテム作成のための名詞キーワードと動詞・形容詞キーワードの予備調査を行った。まず、たとえば動物の生態といった知識領域に関する事例を収集するために、特定の生物種を表す名詞キーワード("monkey", "bat", "elephant"など)を収集し、また、それらの名詞キーワードを項とする動詞キーワード("eat", "like", "live"など)を収集した。さらに、先の名詞キーワードとともに動詞キーワードと共起する項(いわゆる目的語や付加詞)の名詞キーワードを収集した。これにより、たとえば「サルがよく食べるもの」といった知識を反映した穴埋め形式の例文(Monkeys eat X)のリストを試験的に作成した。 【システム構築班】 英語を対象としたWebコーパスを作成し、また、このコーパス中で使用される述語と項の関係を集約した格フレーム辞書をベースとした述語項構造検索システムを構築した。まず、WebからクロールしたWebページ集合から40単語以下の英語文10億文(180億単語)を抽出した。これに対してMaltParserによる依存構造解析を行い、述語項構造を抽出した。述語、述語・項ペアでインデックスを作成し、述語単体(たとえば"eat")、述語・項ペア(たとえば"monkey eat", "eat banana")で検索できるようにした。この検索システムは、依存構造解析の結果を用いているため、単語列上は連続していない述語項構造(たとえば"eat too much bananas")を検索できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
【問題アイテム作成班】 コアアイテム作成のための予備調査については、概ね計画通り進んでいるが、調査範囲については予定している量には達していない。これは予備調査の手段として、1.googleなどの民間の無料検索サービス、2.Sketch Engine(民間の研究者向け有料検索サービス)、3.BNCやCOCA等のコーパスを用いたマニュアル検索を用いたものの、googleでは項構造を反映した検索には限界があり、2と3では項構造は処理できるものの、コーパスサイズが小さすぎるため、「百科事典的知識に基づく外国語学習教材の開発」という目標を達成するのに必要な量の例文を収集することが難しかったためである。 【システム構築班】 「教育と言語学と言語情報処理の融合」のための基盤的資料としてのWebコーパスと述語項構造検索システムは計画通り完成したが、問題アイテム作成班の予備調査がまだ十分でないこともあり、それに基づいた形で本格運用をするには調整が必要な状態である。「インタラクションとして言語を習得する教材の開発」や「携帯情報機器の利用」については、コアアイテムの仕様が決定できていないため、まだ検討に入れていないが、これらは平成25年度以降を中心に行う予定であったため、大きな問題にはならないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
【問題アイテム作成班】 システム構築班が構築した述語項構造検索システムが利用できるようになったため、これを利用して引き続き予備調査を行うとともに、その結果に基づいてコアアイテムとなる例文を作成する。また、後述するEラーニングのシステムのプロトタイプが完成した後には、被験者を用いて実際に問題を解答することによるフィードバックを収集する。 【システム構築班】 問題アイテム作成班の予備調査と問題作成のための資料として効率的に利用できるよう、述語項構造検索システムの調整を行う。具体的には、"lots of"といった修飾表現の排除や、関係代名詞節の構造を反映した検索結果が得られるようシステムを改善する。また、Eラーニングとしてのシステムの基本設計を早急に行う。システムの開発自体については、遅れを取り戻すために補助的な作業員を導入する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
【問題アイテム作成班】 今年度は、野澤は海外での研究発表1件と国内での研究発表1件を予定しており、そのための旅費として約50万円を、被験者を用いたプロトタイプシステムの検証実験のための謝金として約40万円を、また検証実験に必要な携帯情報機器の購入に約40万円を使用する予定である。渋谷は海外での研究発表1件を予定しており、そのための旅費として約40万円を使用する予定である。 【システム構築班】 河原は述語項構造検索システムの調整に必要な機器の購入のために約20万円を使用する予定である。李は国内での研究発表2件を予定しており、そのための旅費として約10万円を、Eラーニングとしてのシステム開発の補助的な作業員の謝金として約20万円を、システム開発の打ち合わせのための旅費として約15万円を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)