2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520681
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山田 一美 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (90435305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 陽一 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (50301271)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 第二言語習得 / 空要素 / 項削除 / AE / 素性 / pro / 空主語 / 空目的語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の3年目となる26年度は3種類のデータを収集し、2本の論文を執筆した。 まず6月にドイツのベルリン理論言語学研究所において、ドイツ人日本語学習者(G-JFL)13名、及びドイツ人英語学習者(G-EFL)16名を対象とした実験(真偽値判断テスト、文法判断テスト)を実施。統計的なデータ処理を行うため、同研究所の八代和子氏に追加実験への協力を依頼し、引き続きデータ収集を行うこととした。その後、八代氏の協力のもと1月に8人のG-EFLからデータ収集が終了した旨の報告を受けている。さらに11月から12月にかけて、日本人ドイツ語学習者(J-GFL)を対象とした実験を実施した。関西学院大学と大阪大学にて被験者を募集し、最終的に26人の学生から協力を得た。 そして、「言語と文化」(関西学院大学言語教育研究センター)及び「Nanzan Linguistics 10」(南山大学言語学研究センター)において研究成果を公表した。それぞれの論文内容は以下の通りである。「言語と文化」:ドイツで収集したG-JFLデータと24年度にイギリスで収集した英語を母語とする日本人学習者(Euro-JFL)データを比較し、本研究の仮説(phi素性一致を持つ母語の学習者は、AEを習得できない)が支持されると結論づけた。「Nanzan Linguistics 10」:Euro-JFLと25年度に収集した日本人英語学習者(J-EFL)の双方向(英語⇔日本語)のデータを比較し、はじめに母語のphi素性が転移するとその誤った素性の影響は上級レベルに至るまで残る一方、母語がphi素性を持たない場合は、目標言語の正しい素性が獲得されうると結論づけた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は3種類のデータ(ドイツ人英語・日本語学習者、日本人ドイツ語学習者)を収集し、現在はスペイン人日本語学習者を対象とした実験の準備中(スペイン語スクリプト作成、録音等)である。スペインのマドリッド大学とコンタクトをとり、実験対象となりうる被験者数について、また、日本語クラスがある他の大学の情報も併せて確認している。また、英語を母語とするドイツ語学習者データに関しては、アメリカのPomona Collegeで実験協力が得られ、被験者募集のチラシを配布中である。
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Strategy for Future Research Activity |
英語を母語とするドイツ語学習者、スペイン人日本語学習者、および日本人スペイン語学習者の実験を実施し、集計結果を統計的に分析する。次年度は本研究の最終年度であるので、これまでの研究成果をまとめ、公表の準備を進める。
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Causes of Carryover |
研究代表者については228,515円、分担者は679,627円の次年度使用額が生じている。代表者に関しては、スペインでの実験準備とデータ収集に係る経費を300,000円分前倒し支払い依頼請求をしたが、スペイン語の実験アイテムを慎重に作成する必要が生じ(文脈に即した適切な単語の選択等)、データ収集が次年度実施となったため、次年度使用額が生じている。分担者については、アメリカへのデータ収集が次年度となったため、主に旅費に関して次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
スペイン人日本語学習者と英語を母語とするドイツ語学習者を対象とした実験に向けたその準備に係る謝金、およびスペイン、アメリカでのデータ収集のための旅費、国際学会での口頭発表等の旅費として、主に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)