2016 Fiscal Year Annual Research Report
Second Language Acquisition Research on Null Elements
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24520681
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山田 一美 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (90435305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 陽一 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 准教授 (50301271)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本人スペイン語学習者 / スペイン人日本語学習者 / 上級レベル / 初級レベル / 英語を母語とする日本語学習者 / 日本人英語学習者 / 項削除 / sloppy読み |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる28年度は、3種類のデータを収集し、成果としては、2つの国際学会で発表、それぞれの内容はプロシーディングスに論文として掲載され、そのうち、1つの国際学会で優秀論文賞を受賞した。 まず、5~7月には大阪大学にて日本人スペイン語学習者(J-SFL)11名から協力が得られ、実験を実施した。11名のうち、上級レベルは9名であり、27年度に収集したデータと合わせ、統計分析に必要な被験者数を確保した。9~10月には、英語を母語とする日本語学習者(E-JFL)対象の実験アイテムの見直しを行い、11月にはイギリスの4つの大学で23名の上級E-JFLからデータを収集した。さらに、双方向のL2習得を検証するため、12月には改訂した実験アイテムをさらに日本人英語学習者用に作成し直し、1月に日本人大学生(30名)を対象に実験を実施した。同月にジャーナル論文1本を投稿、2月に収集データの整理開始、3月にかけて2つの国際学会に発表要旨を提出した。 研究成果としては、6月開催のThe Japanese Society for Language Sciencesにて口頭発表を行い、J-SFLとスペイン人日本語学習者(S-JFL)のデータ比較から、上級J-SFLがsloppy読みを許容しなかったのは、彼らのL3スペイン語へのL2英語の影響(TにおけるD素性)であることを主張した。8月開催のEuropean Second Language Association での口頭発表では、ヨーロッパのpro脱落言語あるいは非pro脱落言語を母語とするJFLデータ(S-JFLとEuro-JFL)を比較した。実験結果は、S-JFLは初級レベルで項削除を習得している一方、Euro-JFLは上級レベルでも習得できないことを示した。S-JFLのL2文法ではuninterpretable phi-featuresの認可に関して格助詞がcliticと同じようにAgree 関係を結び、その結果、sloppy読みの解釈をしている可能性があることを示した。
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Research Products
(4 results)