2014 Fiscal Year Research-status Report
L2リーディングの理解度と理解速度を説明する個人要因とタスク要因
Project/Area Number |
24520683
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
塩津 敏彦 久留米大学, 外国語教育研究所, 教授 (00259730)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リーディング / L2 / テスティング / 個人差 / 難易度 / 反応時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、(1)日本語母語話者が英語を読む場合に個人間に生じる理解度差と理解速度差がそれぞれどのような個人的特性によって説明できるかと、(2)読むタスクの個体間に生じる難易度差と所要時間差がそれぞれタスクのどのような特性によって説明できるかを、多方法による能力推定を用いて明らかにすることである。
研究3年目の平成26年度は、それまでに蓄積したリーディングテストおよび関連能力測定用テストのデータと関連文献を参照の上、本研究の目的に適したテクストと応答形式の選定を進めた。テクストについては言語的特性を統制するための枠組を構築するために、応答形式については反応時間の比較を可能にする形式を複数選定するために、文献研究や関連学会への出席を通して、情報収集・意見聴取し、調査用タスクと項目作成を継続した。当初は調査時間や予算上の制約から難しいと考えられていた英語習熟度の客観的指標を研究の一部として盛り込める可能性が浮上したため、そのための情報収集と調整も開始することができた。
また、蓄積されたリーディングテストおよび関連能力測定用テストのデータをもとに行った分析に関してアメリカ応用言語学会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
蓄積したリーディングテストデータと関連文献を参照の上、本研究の目的に適したテクストと応答形式の選定に続け、関連学会への出席を通して情報収集・意見聴取したが、すべての調査用タスクと項目の完成に至っていない。個人間に生じる理解度差を説明する個人差要因として有力な聴解力についてアメリカ応用言語学会で発表し、分析方法等について有益な意見を聴取することができた。企画段階では困難と考えられていた習熟度の外部指標を取り入れる可能性が浮上したため、具体的な検討に入ったが、すべての課題が揃っていないため、主な参加者層からのテストデータ収集を開始するに至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
すべての調査用タスクと項目を完成し、実施前(ア・プライオリ)項目分析にかける。英語習熟度の外部指標を得るための準備を完了する。予備テストによる小規模データ収集を行い、その結果を分析して必要な修正を行う。継続的に文献研究や関連学会への出席を通して情報収集・意見聴取を行う。
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Causes of Carryover |
平成26年度に行う予定だった実験用ソフトウエアと分析用ソフトウエアの購入とパイロットテストデータ収集を平成27年度に行うこととしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
テスト等により学習者からデータ収集を行うための実験用ソフトウエアと分析用ソフトウエア・およびハードウエアを購入し、大学生を対象にパイロットテストを実施する。その際に謝金・旅費・会場使用費用が必要となる。
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