2016 Fiscal Year Annual Research Report
Person and Task Factors That Account for Differences in L2 Reading Comprehension and Speed
Project/Area Number |
24520683
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
塩津 敏彦 久留米大学, 外国語教育研究所, 教授 (00259730)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リーディング / L2 / テスティング / 個人要因 / 難易度 / 英語熟達度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、学習者が英語を読む場合に個人間に生じる理解度差と理解速度差がどのような個人的特性によって説明できるかと、読むタスクの難易度差と所要時間差がそれぞれ課題のどのような特性によって説明できるかを検討する。 平成28年度は、対象者の熟達度について国際的客観指標を用いることによって、結果の適用範囲を明確化することを目指し、ヨーロッパ共通参照枠(CEFR)レベルの判定が可能なAPTISテストの採用を決定した。また、個人差要因と複数のタスク要因について、研究会での情報収集や文献研究などにより絞り込みを行った結果、複数の個人差要因とタスク要因を選定し、課題を準備した。 平成28年度助成金の範囲で、複数の会場において80名の日本人大学生から回答データを集めたが、これは当初の目標人数に達していない。さらに、APTISテストは全員が受験できたものの、タスク要因の影響と理解速度を測定するためのPC課題については問題が生じ、一部の参加者の回答データを得るに留まった。そのため、平成29年度も助成金とは別の手段により参加者を追加募集し、本稿執筆時点で5大学、合計125名の参加を得ている。 現在、理解度差を説明する個人特性を中心に分析を進め、下記現象が確認された。(1)CEFR熟達度においてリーディング力の個人差を最も良く説明する個人要因の組合せは、英単語意味認識、英文法知識と英語読解ストラテジー使用であり、(2)英単語意味認識力がA0, A1<A2<B1<B2,Cのように最も強い識別力を示した。語彙文法については従前より重要性が認識されているが、ストラテジー使用も独自の貢献をもたらす点が明らかになった。 課題要因や理解速度については分析が完了していないが、まとまり次第、学会発表等により公表する。参考HP(http://www.std.mii.kurume-u.ac.jp/~shiotsu)
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