2014 Fiscal Year Research-status Report
第二言語習得における言語知識と自発的産出に関する実証的研究―形態素習得からの考察
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24520684
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
庄村 陽子(一瀬陽子) 福岡大学, 人文学部, 准教授 (30368881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 真理 群馬県立女子大学, 国際コミュニケーション学部, 講師 (80620434)
團迫 雅彦 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 専門研究員 (50581534)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 第二言語習得 / 言語学 / 横断的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は第二言語習得において、学習者の第一言語の知識が及ぼす影響や学習可能性を検証するものである。昨年度、新たに一名の研究分担者と一名の研究協力者を迎え、さらに生産性を高めて研究を行うことができた。 調査の概要を述べると、複合動詞の語形成方法の異同に基づく習得研究が 十分に行われてきたとは言い難い韓国語と日本語に焦点を当て、昨年に引き続き実験調査を実施した。 具体的には東京にある地球市民日本語学校のご協力を得て、2014年9月に韓国人日本語学習者48名に調査を行った。 調査内容は前回の九州大学での実験調査の反省を基に、調査項目を改善したもので、新たに付け加えられた項目も含まれている。現在SPSSでの分析がほぼ終了し、学会発表に向けて準備を進めているところである。また、2014年度は3つの学会で口頭発表を実施した。数々の貴重なコメントや、今後の調査実施に向けての示唆を得ることができ大変有意義であった。いよいよ最終年度を迎え、1本でも多く論文として出版できるよう、これまでの成果をじっくりと分析し、論文にまとめていく予定である。同時に、これまで対象としてきた韓国語母語話者だけではなく、新たに中国語母語話者を対象に含めた形で調査を実施する予定である。母語の異なる日本語学習者における結果の違いを比較分析することにより、第二言語習得における母語の影響や役割についてさらに考察を深めていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2014年度は新たな試みとして共同研究にスカイプを取り入れた。研究分担者が県外にいたり、講義の曜日が異なったりと、お互いに集まって打ち合わせを行うのが困難だったため、実験的にテレビ会議を実施してみた。短い時は2週おき、長くて3~4週おきに実施したが、直に顔を合わせて打ち合わせを行うのとさほど変わりはなく、不便さも感じなかった。今後も定期的に打ち合わせを行い、研究の実施計画及び内容を話し合う予定である。
また昨年度、大変苦労した被験者集めだが、九州を離れ、東京まで範囲を広げたことにより、比較的スムーズに目標とする人数の被験者を集めることができた。今後も同じやり方を踏襲して、実験調査を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画としては、調査の対象を韓国語からさらに中国語へと拡大し、第二言語習得における母語の影響を母語の異なる学習者間で比較していく予定である。韓国人留学生に比べ、中国人留学生は九州にも多いことから、さほど被験者集めに困難は生じないのではないかと思われる。
また最終年度ということで、これまでのデータ分析を論文にまとめ、積極的に様々な雑誌に応募していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
繰越金が発生した大きな理由としては、実験調査を進めていく上で、得られた反省点や改善点を生かして再調査を実施する必要があったため、謝金や実施費用を次年度まで持ち越す必要があったからである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度はデータ分析に伴う学会発表と同時並行で、再調査を実施する予定である。繰越金を活用し、できるだけ多くの被験者からデータを入手したいと考えている。
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Research Products
(13 results)