2014 Fiscal Year Annual Research Report
国際協働作業力に係わる大学生の英語力の内外要因とその発達過程に関する実証的研究
Project/Area Number |
24520685
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Research Institution | Nagasaki Junshin Catholic University |
Principal Investigator |
鈴木 千鶴子 長崎純心大学, 人文学部, 教授 (10123837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 憲一 長崎純心大学, 人文学部, 教授 (50284138)
吉原 将太 長崎純心大学, 人文学部, 准教授 (30321318)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / グローバルコンピテンス国際比較 / プロジェクト方式学習 / 国際協働作業力 / グローバル人材育成 / SNS活用 / グループ討論データ分析 / 知識構築課程分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的で明らかにするとした以下の3つの主な課題に対して、学生参加の国際プロジェクトを2年度にわたり同様の条件で繰り返し実施し、1年度目の結果に基づく仮説を検証するとともに、プロジェクト実践より得られたデータを量的・質的に分析し、それぞれ以下の結果が得られた。 (1)プロジェクト・ベイスならびにコンピテンス・ベイスの教育実践の効果について:①英語コミュニケーション力に関して、4ヶ月間の実践のみでは、グループ平均スコアで統計的な有意差は示されなかったが、2年度目には約6%の伸長が確認された。②教職課程履修学生に特に求められる素養で、日本人学生に不足しているとされる、自信と積極性、ならびに異文化理解にプラスの変化が観察された。 (2)国際協働作業力の基礎となる英語コミュニケーション力の伸長に、相対的に強い影響を与える要因について:①グループ内に日本人一人での参加が有効であることが実証された。②日本人が複数メンバーの場合には、安定的・外交的・リーダーシップのある性格特性を持つ人物の存在が重要であることが示唆された。 (3)日本人学生の国際プロジェクトにおける協働作業力の、国際比較に基づく現状と課題について:①発言量は件数と長さにおいて明らかに少ない一方、質的には各グループの進行に前向きに関わり、要所で協力的な役割を果たす発言行動ができることが確認された。②協調的知識構築過程において、以下の要素の価値を認識し、その育成に向けて努力する必要がある:i) 冷静・論理的かつ批判的に分析思考し、思うところを率直に述べる。ii) 相手の考えを素直に受け止め自分の不足は認める段階を経て、相互に有益な解決策に繋がる創造的アイディア創出が実現する。 以上の成果を受け、新たな課題「クリティカル・シンキング指導の先行を軸とするグル―バル・コンピテンス育成のための国際プロジェクト運営開発研究」に着手した。
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