2012 Fiscal Year Research-status Report
中国語教育への社会的要請に応えるコミュニケーション能力育成のための日中対照研究
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24520688
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima Prefectural College |
Principal Investigator |
楊 虹 鹿児島県立短期大学, 文学科, 准教授 (20571607)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究では,意思決定の場面での意見表明の仕方や合意形成のプロセスにおける日本語母語場面と中国語母語場面の対照分析を通してそれぞれの特徴を明らかにしたうえで,中国語使用の接触場面における日本語母語話者のコミュニケーションの特徴及び問題点を解明することを目的としている。本年度は、中国語母語場面及び日本語母語場面の会話データをそれぞれの国で収集し、以下の研究成果が挙げられた。 (1)中国語母語場面のデータを分析し、中国語学会でポスター発表を行った(2012年10月「試論漢語自然口語中「覚得/感覚」的語用功能」日本中国語学会第62回全国大会,同志社大学(京都府・京田辺市)『日本中国語学会第62回全国大会予稿集』pp.83-84.)。 (2)中国語母語場面と日本語母語場面のデータを比較分析し、「同意要求―応答」の連鎖を切り口にして、両者のコミュニケーションのスタイルの相違を明らかにした(2012年12月「初対面会話における「同意要求―応答」の連鎖の分析―共感構築の観点から―」『鹿児島県立短期大学紀要 人文・社会科学篇』第63号, pp.119-133.) また、日本人中国語学習者の接触場面のデータ収集に関して、中国の大学に所属する研究協力者と打ち合わせを重ね、学習者の中国語能力や収集に際しての困難点などを分析し次年度のデータ収集の計画を精査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに中国語母語場面と日本語母語場面のデータ収集を行い、初歩的な分析を行い、学会発表等で一部成果を出しているところを評価し、おおむね順調に進展していると思われる。 ただし、ホームページを作成する予定が、研究経費の不足等で年度内には実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に収集した中国語母語場面及び日本語母語場面のデータを多角的に検証し、その分析・考察を深め、論文を執筆する。 日本人中国語学習者のデータ収集に関して、中国の大学に所属する研究協力者と打ち合わせを重ね、より質の高いデータが収集できるように努める。 また、前年度に続き、母語場面の比較分析をさらに多角的に行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費は、主に下記2つに用いられる。1.平成24年度のデータの分析・考察を深め、日本中国語学会や、社会言語科学会等で発表を行う。2.中国語で日本人留学生と中国人学生による接触場面のデータを収集する。 人件費は、中国でのデータ収集の際に協力者への謝金や文字起こし・資料整理の謝金に用いる。 物品費は、文献収集や参考書等の購入、文房具等に使用する。 その他、通信費等が予想される。
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