2013 Fiscal Year Research-status Report
中国語教育への社会的要請に応えるコミュニケーション能力育成のための日中対照研究
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24520688
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Research Institution | Kagoshima Prefectural College |
Principal Investigator |
楊 虹 鹿児島県立短期大学, 文学科, 准教授 (20571607)
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Keywords | 国際情報交換(中国) / 日中対照研究 / 中国語教育 |
Research Abstract |
本研究では、意思決定の場面での意見表明の仕方や合意形成のプロセスにおける日本語母語場面と中国語母語場面の対照分析を通して、それぞれの特徴を明らかにしたうえで、中国語使用の接触場面における日本語母語話者のコミュニケーションの特徴および問題点を解明することを目的としている。 今年度では、前年度に収集したデータの分析・考察を深め、学会発表や論文の発表を行った。まずデータの分析を行い、その結果の一部をまとめ、中国瀋陽で開催された中日韓比較文化研究国際学術検討会(検討会=シンポジウム)で口頭発表を行った。シンポジウムでは、中国や日本、韓国の研究者と幅広く情報交換や意見交換を行い、本研究をさらに進めていくための有益な知見が得られた。シンポジウムの発表論文集は、近日出版の予定である。また、中国語母語場面の意見表明発話の分析結果の一部を論文にまとめ、発表した。(「意見表明発話における「覚得」「感覚」の機能の分析」 『人文』第37号, pp.21-35.) また、前年度に続き、接触場面のデータ収集も実施した。日本語母語話者の中国語学習者が参加する2者間会話場面および2種類の接触場面(相手接触場面、第三者接触場面)の話し合いのデータを収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.データ収集については、当初予定していた中国語接触場面のデータを収集した。 2.成果発表については、中国で開催された国際シンポジウムにおいて口頭発表を行った。また、中国語母語場面のデータを用いて分析を行い、その結果の一部を論文にまとめ発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度でデータ収集は完了し、今後は引き続きデータの分析を行い、分析の結果を学会等で発表していく。また、学会参加等を通して、分野の近い研究者と情報や意見交換を行い、さらに考察を深めていく。今後は、引き続き、データの分析・考察を深め、言語類型論の見地を取り入れ、談話分析の手法を用いて研究発表や論文執筆を通して研究成果を公表していく予定である。 本研究では、中国語、日本語の母語場面のデータおよび日本語母語話者の中国語による接触場面のデータを収集してきた。これまではデータの処理に多くの時間と労力をかけていたため分析と考察に十分な時間が確保できなかったという課題も出てきた。今年度は前年度に収集したデータのみの分析しか行っていないため、次年度は、今年度に収集したデータを中心にさらに分析を深めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き当該分野の最新の動向を把握するための文献収集を行うため、書籍購入等に伴う物品費が必要である。また他の研究者との情報交換や研究発表を行うため旅費が必要である。 年2回開催される社会言語科学会、中国語学会への参加および発表や、中国大連で開催される国際学術シンポジウムへの参加および発表に旅費を用いる。また、書籍購入に物品費を用い、データベース化作業に謝金を用いる。
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