2012 Fiscal Year Research-status Report
小学校外国語活動の指導の成果としての習得スキル及び児童の意識の定量的研究
Project/Area Number |
24520695
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
石塚 博規 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (50364279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萬谷 隆一 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (20158546)
中村 典生 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (70285758)
中村 香恵子 北海道工業大学, 創生工学部, 准教授 (40347753)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 早期英語教育 / ICTの効果的な利用 / 外国語活動の評価 / アジアの英語教育 / 授業分析方法 |
Research Abstract |
本研究は5つの研究目的(1.諸外国の外国語活動の指導と成果の研究,2.外国語活動の評価テスト方法の研究,3.授業観察と分析による指導方法の特徴の研究,4.外国語活動の成果とICT活用の関連性の研究,5.外国語活動の成果と児童の意思の関連性の研究)に沿って進められている。平成24年度の研究実施計画は,1.外国語活動を数値化して評価するためのテスト方法について検討し実施する, 2.授業観察を行いCOLTで分析する,3.アジア諸国の早期英語教育についての成果に関する調査,聞き取り,授業観察を行い,その効果を検証し,附属学校の翌年のカリキュラムにその利点を取り入れる,ということであった。 1については,業者テストのみでは児童の英語スキルを数量化して測定することには限界があることが判明し,独自のテストを作成するとともに試行した。また,アンケート形式で自己評価する形式のテストも必要であることが検討され,翌年の本格調査での実施を予定している。また,スピーキングに関しては,インタビュー形式のテストが検討され,北海道内の小学校の協力を得て,次年度試行実施することにした。 2については,附属学校の授業をビデオ撮りし,分析を行った。これにより現在の授業の特徴を明らかにした。 3についてはアジア3か国を訪問し,授業を観察し一部ビデオ撮りした。また,授業を担当した教員と学校長,教育大学の学生,教員に聞き取り調査を行い,これらの国々での早期英語教育の実態,その特徴,成果をまとめた。 今年度のこれらの研究成果は,翌年の附属小学校における新しいカリキュラムに反映し,それを実施する準備を整えることができた点で,大変意義があった。平成25年度からは,附属小学校では,これらの成果を活かした新しい指導法による「小学校英語」の導入が決定され,研究が本格実施されることになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究実施計画は,概要で示したように,1.外国語活動を数値化して評価するためのテスト方法について検討し実施する, 2.授業観察を行いCOLTで分析する,3.アジア諸国の早期英語教育についての成果に関する調査,聞き取り,授業観察を行い,その効果を検証し,附属学校の翌年のカリキュラムにその利点を取り入れる,ということであった。 1については,実際に附属小学校160名に対して,リスニング能力・表現能力・語彙能力を測るために2種類のテストを実施するとともに,語彙テストについては,中学校へ進学以降の定着率も考慮した追跡可能なオリジナルなテストを開発し,附属中学校の生徒に施行した。その後語彙テストのコンテンツを改良しするとともに,語彙アンケートの実施も検討して,小学生の英語能力について多面的に数値による評価を可能にする方法を提案することができた。 2については,授業観察を予定通り春,秋の2回行い,COLTで分析し,5年生,6年生での授業の実態をコミュニケーションの観点から明らかにしており,翌年の新しいカリキュラムによる授業との違いを明らかにするための基礎資料を作成済みである。 3については,アジア各国の訪問を予定通り行い,その国々で先行している小学校での英語授業について,その特徴をまとめ,正の効果と負の効果を明らかにすることができた。その知見に基づき,附属小学校での新しいカリキュラムと授業・指導方法を検討し,ICTを取り入れるながら,外国語活動の良さを生かした具体的な指導方法が確立できた。 以上のように,平成24年度の実施計画にほぼ沿った形で研究が進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,平成24年度の成果に基づき,1.外国語活動指導要領の趣旨を活かしながら英語スキルを向上させるための方法をICTにより実現する新しい指導法による授業を開始するとともに,前年度の試行結果をもとに,外国語活動の成果を数値化して検証するためのテスト方法を確立し,附属学校及び近隣小学校で実施する, 2.平成24年度の研究成果について学会発表を行う, 3.テストを実施した小学校での授業を数回観察し,COLTで分析することで,それぞれの学校での授業の特徴と差を明らかにすることとが当初の実施計画であったが,1の近隣小学校でのテストの実施については,協力校が確保しにくい現状があり(数値化して評価されることの抵抗感があり),他の方法(昨年度の附属学校での同学年での授業と比較する方法)なども視野に入れて検討している。2.は予定通り,7月に学会発表を行う予定である。3.は近隣の小学校の協力が得られない場合は,1.で述べた方法も検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に使用する額が発生したのは,所属大学内の共同研究者の予算の執行状況を正確に把握していなかったためで,平成25年度の請求額と合わせて,ICT利用の情報収集のための出張旅費や関連書籍の購入などに充てたいと考えている。
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