2014 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル社会における「日本人英語」に対する態度と容認度の包括的研究
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24520701
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
柴田 美紀 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (90310961)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ジャパニーズ・イングリッシュ / リンガ・フランカ英語 / 言語態度 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで日本人英語学習者の母語話者英語に対する強い憧れと非英語母語話者の英語に対する容認度の低さが指摘されてきた。それは、日本人英語の否定にもつながっている。そこで本研究では、自らの英語に対して持つ否定的な言語態度は日本人英語学習者に特有である(仮説1)、ジャパニーズ・イングリッシュは日本人以外の英語使用者に理解してもらえない(仮説2)を検証した。オーストリア(31名)、ドイツ(27名)、デンマーク(48名)、マレーシア(62名)、中国(57名)、カザフスタン(21名)、日本(44名)の大学生と大学院生にアンケート調査を行った。最終年度である平成25年度は回答の分析を行った。 仮説1には、自らの英語に対する言語態度を問う10項目に6つの選択肢から最も適切な数字をひとつ選択してもらった。回答は二項検定、1元配置分散分析、因子分析を行い、日本と各国を比較した。その結果、発音の自信、自らの英語に対する満足度とそのアクセントを保持したい気持ちに関わる項目で、日本人大学生が最も低い平均値であった。 仮説2の検証は、参加者らに日本語アクセントの程度が異なる4名の日本人男性の英語を聞きながら、各話者の英語を10項目(アクセント、理解度、流暢さ、慣れ、快適さ、好感度、自信の有無、国際社会での成功など)について判断してもらった。全体の結果は、アクセントが強く認められるほど容認度は下がっていた。また、国ごとに1元配置分散分析と相関関係の分析を行った。 アンケートの結果は自らの英語に対して容認度が高いと非英語母語話者の英語に対しても肯定的であると示唆する。また、同じアジア圏にあっても、自らの英語と非英語母語話者英語に対する捉え方が異なることもうかがえる。
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Research Products
(3 results)