2012 Fiscal Year Research-status Report
小学校外国語活動と中学校英語科の連携カリキュラム開発による授業接続のあり方の研究
Project/Area Number |
24520702
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田中 彰一 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (80197425)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 外国語活動 / 中学校英語科 / 項目学習 / システム学習 / 小中連携 / 文字指導 |
Research Abstract |
3年計画の1年目として,佐賀大学文化教育学部の附属小学校外国語活動担当教員と附属中学校英語科担当教員との連携の研究会をまず構成し,研究代表者がそれに加わる形の研究組織をつくることができた。本研究課題の目的の共通理解を得て,月1回の研究会において理論研究の成果を順次この研究組織に紹介しており,小中連携の9年間カリキュラムと学習デザインの検証をおこなっている。 まず理論研究として第二言語習得と関連した児童・生徒の認知発達上の特徴をどう捉える視点を,研究代表者から授業実践者に提供し,確認のフィードバックをもらいながら,理論的な検証をおこなっている。特に小学校から中学校1年生への接続期に注目した議論を,論文「小学校外国語活動と中学校英語科の接続(1) ―現状と課題―」としてまずまとめた。 そこでは,小学校外国語活動の実践において,コミュニケーション能力を非言語を含む能力として大きく捉えるべきであり,動機づけの開発を含む情意的な「素地」を育成するという課題があることがわかった。また,受け入れる中学校英語科においては,教科としての英語学習において,外国語学習の意識づけをおこなっており,動機づけの持続を図りながら,音声の活動から,読み・書く活動へと,文字指導へとつないでいく課題があることが明らかとなった。上記の論文において,この小中の課題の理論的な分析をおこなっている。この分析に基づき,並行的におこなっているカリキュラム研究を,小中連携の段階的な英語能力の発達を図る英語学習デザインとして検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新学期後に研究組織の立ち上げをすることができたため,おおむね当初の予定通りに進めることができたが,小中の学校行事等により研究代表者と実践研究者との例会の回数を十分に持つことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は研究の2年目として、実際に授業を担当している本学附属小中学校の協力を得て、授業観察と授業記録,アンケートの形式で小中連携授業の実態を調査し、理論研究で分析した指導のあり方と照合して分析する。ここでは学習の発達段階と学習内容の相関性の照合のために,1年目の研究成果である理論的な分析から出てきた現状と課題の分析をさらに掘り下げて考察し,小中接続のカリキュラムにおける授業のポイントがどのようなものであるかかを提案し,実践授業の見直しをおこないたい。その考察を受けて,授業の記録と分析をおこない,アンケート調査等の結果を加味しながらカリキュラム開発をおこない,学習者である児童・生徒の英語学習のあり方を考察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き研究文献の収集と分析を続けながら,小中接続期の第二言語としての英語の習得のプロセスを分析し,研究する。また研究費の一部は,授業分析や映像に残すなどの授業記録,またアンケート調査等に用いる。さらに小学校英語教育関係の学会にも積極的に参加し,最新の研究成果を収集し,本研究の参考にすることも怠らずにおこないたい。また,小中の教育現場においては,ICTの利活用が図られており,電子黒板やタブレットを使った授業が英語教育の小中連携に果たす効果についても分析をおこなうつもりである。そのため,今年度の予算の中からタブレットの購入をおこない,次年度の研究につなげることとしている。
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Research Products
(1 results)