2013 Fiscal Year Research-status Report
看護ニーズに対応した実践コミュニティ併設型医療英語教育ハイブリッドモデルの開発
Project/Area Number |
24520706
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山下 巌 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70442233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 健 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (40402242)
横島 啓子 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50369469)
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Keywords | Moodle / 医療英語 / モバイル学習 / Community of Practice / ウェッブ学習内在型 / EOP/ESP / Secon Life |
Research Abstract |
研究2年となった本年度は、研究代表者や分担者等による現地調査や国内外での学術論文執筆や研究発表を通じて、本研究の中間報告をおこなった。 まず代表者の山下は、8月上旬に文京学院大学で開催された外国語教育メディア学会、9月中旬にポルトガルのエヴォラ大学で開催されたEuroCALL2013で、モバイル機器とソーシャルメディアを組み合わせた遠隔地間学習における学生間のインターラクションの可能性に関する研究発表を行った。さらに8月下旬には、フィンランドのLaurea University of Applied ScienceのSuzanna Kievela先生を訪問し、Second lifeを活用した同大と代表者本務校の学生間におけるバーチャル看護英語学習の可能性について検討を行った。また、本研究の成果を盛り込んだ看護英語学習テキストを企画・執筆し、センゲージラーニングから10月に出版するに至った。 分担者の佐藤は、外国語学習におけるモバイル利用の意義や実践コミュニティ(community of practice)構築とその環境下における協働活動の学習効果に関する論文や研究発表を積極的に行った。また、外国語教育メディア学会ではモバイルラーニングとソーシャルメディアのを組み合わせた外国語学習の基礎と実践にかんするワークショップを担当した。 いま一人の分担者である横島は、本研究に協力してくれた外国人看護師との連携に従事し、研究の円滑な進行に貢献した。また自らも日本看護協会などにおいて、看護師養成や看護トレーニングに関する研究発表を行い、本研究の成果の一端を世に問うた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、moodleを活用した実践コミュニティの形成とその環境下における看護英語の協働学習の実現に向けて腐心した。本学部の学生対象に簡易調査を行ったところ、スマートフォンの普及率が約95%となっており、PCによるメッセージの送付はほとんどなくなりつつあり、コミュニティ参加学生は、もっぱらスマートフォンを用いてメッセージの送付を行った。そのため短いメッセージ交換を数回にわたり繰り返しながら、話題の核心に迫ってゆく形のインタラクションが目立った。これまで主流であったパソコンでのeラーニングと隣接領域にありながらも、eラーニングの知見とは異なる知識やノウハウ、文化的背景を有することが明確になってきている様子が見て取れた。 また、フィンランドのLaurea University of Applied Scienceでは、Second Life 上に病院を構築し、同大の看護学課程に在籍する学生は、そこで患者とのやり取りを通じコミュニケーション能力を向上させている実態が、視察を通じて明らかとなった。テキスト、音声いずれの方法によっても、意見のやり取りが可能であった。Moodle上に実践コミュニティを構築しようとする試みよりも、むしろこのバーチャル病院こそが実践コミュニティの代替的役割を果たしており、シュミレーションを通じてよりリアルなコミュニケーションが行われているような印象を得た。これを本研究の進むべき方向性のヒントとして、今後の研究をさらに推進してゆきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、研究最終年度となるため、医療英語教育ハイブリッドモデル構築を目標に研究を推進してゆきたい。また、Moodleに加えSecond lifeをプラットフォームとした、研究を展開してゆきたいと考えている。具体的には、現在の研究方針に加えLaurea University of Applied Scienceの教員と連携して、同大学がSecond life 上に構築している病院プログラムに本学部の学生のうち一定の条件を満たした者の参加を許可してもらい、そこに患者あるいは看護師として加わることで英語力の向上を目指そうと考えている。いわば、バーチャルインターンシップのような形になるが、医療英語学習の一つの有力な方策となる可能性を秘めていると思われる。 研究代表者の山下は、研究成果を昨年度と同様に、EuroCALLとAsiaCALLにて発表し、その成否を広く世に問うてゆきたいと考えている。すでにこれら二つの学会には研究発表のproposalを提出し、発表許可を得ている。 分担者の佐藤は、今年度に引き続き、モバイル機器とソーシャルメディアを組み合わせた学習環境の構築とその効果の検証を、さらに推進してゆく予定である。 今一人の分担者の横島は、看護基礎教育における医療英語の役割を明確化し、新人看護師研修に英語学習を組み入れてゆくための土台づくりを推進してゆく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度もEuroCALLに加え、急遽、台湾で行われるAsiaCALLにて成果発表を行うこととなったため、その旅費の一部に充当したい。 11月21から24日まで、台湾のNationalChanghua University of Educationを会場に開催されるAsiaCALLにおいて本研究の成果発表を敢行したい。当初、国内における研究発表をよていしており、このAsiaCALLでの研究発表は計画に含まれていなかった。そのため国内発表を行った場合との差額として研究資金の約5万円を次年度に繰り越し、台湾へ旅費の一部として充当することとした。
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Research Products
(9 results)