2013 Fiscal Year Research-status Report
複雑で本物の状況において学習者の英語使用を生起、内化させる協働作業の実施と評価
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24520713
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
保崎 則雄 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70221562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山地 弘起 長崎大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10220360)
鈴木 広子 東海大学, 付置研究所, 教授 (50191789)
北村 史 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (90613860)
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Keywords | リフレクション / 海外研修 / study abroad / NPO活動 / ボランティア活動 / error analysis |
Research Abstract |
25年度は、英国NPOにおいてインターンシップに参加した学生の毎週のレポート(英語)を中心に分析した。8月から3月までの実質6ヶ月間でちょうど30のレポートがメールで送られて来たが、明らかに視点が変わったという書き方が最初の5、6回を過ぎたころに起こっていた。帰国後の半構造化インタビューを合わせて分析すると、そのころから回りの環境にも慣れ、「みえてきたもの」が徐々に鮮明になってきたということを述べていた。同時に興味深かったのは、言葉の習得に限界を感じていたころであり、それがその後のレポートにも表れていると思われる。注目すべきは、mistake, errorの定量的な分析結果であり、終盤になって「間違い」は減る事もなく、むしろ増えているときもあり、帰国後のインタビューでそのことを聞いたら、「間違いを気にしなくなり、伝えたい事を情熱を持って伝えるということにより集中するようになった。」と答えていた。この分析については、2014年の夏の関連学会で報告の予定である。 また、学部授業での9月の米国協働研修においては、現地大学でJ―pop カルチャーのプレゼンを参加学生が行い、ビデオ録画し、帰国後振り返り省察をした。現地でプレゼン終了直後の振り返り反省会でのコメントと付き合わせてみると、自分(たち)を客観的に見る眼(メタ認知能力)が明らかに向上していることが伺われた。同時に他の人のプレゼンを「観る眼」も育っていることが確認された。協定校の学生は日本語でプレゼンを行い、彼我の差、比較などが言語、態度、身体表現などの観点から分析できるようになったことも付記する。 この学びについては、2013年夏の関連する学会で報告したところ、多くの人が関心を持ってくれ、今後も継続して実施する意義を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は海外協働研修の企画、実施、振り返りの分析を継続して行ったが、その他に英国NPOでのインターンに出る学生の分析を行う事ができ、その知見の分析が加わった。分析はまだ継続しているが、最終年度内にさらに分析を深め、研究の総括につなげることを予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
海外NPOでのインターンシップの活動における、週に1回のレポートの分析がまだ完結していないため、2014年度は継続して作業する予定である。 合わせて、今年度も授業における米国協働研修の企画、実施、評価を行うことを予定している。参加する学生は、昨年度は異なるが人数面ではほぼ同じ10名程度であるため、2012, 2013, 2014年度で合計30名程度の母集団となるため、今年度分を加えた状態で定量的な分析を行うことを計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終年度の支出が増える見通しとなったため 具体的には研究成果、知見の海外での発表をする機会が生じると思われる。 ヨーロッパでの学会にて継続して報告する予定である。現時点では研究協力をお願いしている先生がドイツのハイデルベルグ大学で勤務しているので、もし今後、欧州での学会発表が増えるようであれば、報告を行うことを予定している。
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