2012 Fiscal Year Research-status Report
韓国の小中学校の英語教育においてEBSeが果たす役割と日本への示唆
Project/Area Number |
24520714
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
カレイラ松崎 順子 東京経済大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40454186)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際情報交換 / 韓国 |
Research Abstract |
平成24年度は研究協力者である韓国の京畿大学のJong-Gil Song教授の協力を得ながら、「EBS English放課後英語教室」が韓国の小学校や中学校で実際にどの程度使用されているかなど、予備調査を行った。 また、韓国の検定教科書のデジタル教材と日本の「Hi, friends」のデジタル教材との比較を行い、以下の3点を明らかにした。 第一に、「Hi, friends!1」のデジタル教材は,音声や動画が出ない部分があり,電子黒板に写しだすだけの静止画が多いなどデジタル教材としての特徴をいかしきっているとはいえないように思われる。一方,「ELEMENTARY SCHOOL ENGLISH3 e-教科書」にはかわいいアニメの動画が多く収録されており,児童が楽しみながら英語をインプットすることができる。 第二に、「ELEMENTARY SCHOOL ENGLISH3 e-教科書」は「Hi, friends!1」と比べて,操作方法がわかりやすく,そのまま提示されている通りに順を追っていけば授業を行えるようになっている。一方,「Hi, friends!1」は教員が自由に使えるように自由度が高い分カスタマイズしやすいが,教員が授業前の準備に多くの時間を費やさなければならない。ゆえに,教員の負担軽減のためにも,「ELEMENTARY SCHOOL ENGLISH3 e-教科書」のように順をおっていけば,そのまま授業が行えるような,より体系的に作られた操作のしやすいデジタル教材を日本においても開発していくべきであろう。 第三に、韓国の教科書には児童一人一人が使えるデジタル教材が付随しているため,パソコン室で児童各自が教員の指導にしたがって学習を行ったり,自宅で一人で学習できる。日本においても児童各自の教科書に付属したデジタル教材の開発を検討していくべきであろう。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EBSeのホームページにアクセスできなくなるなど、様々な問題が生じため、多少、研究計画を変更さざるおえない部分もあったが、研究協力者であるJong-Gil Song教授の助けもあり、概ね順調に研究を行ってきた。特に、本年度はEBSeだけでなく、韓国の教科書のデジタル教材の分析を行うことが出来たため、日本の英語教育に様々な示唆を与えることができたと思われる。今後は韓国の英語の教科書とEBSeを比較するなど様々な観点から分析を行っていきたいと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
「EBS English放課後英語教室」を使用している韓国の小中学校において,研究協力者(韓国の京畿大学のJong-Gil Song教授)の協力を得ながら,質問紙調査および観察を行う。ARCS動機づけモデルに基づいた韓国語版の質問紙(学生と教員用)を全国の小中学校で実施する予定である。また、授業参観やインタビューを行い,量・質両面からデータを収集し,検証する予定である。その他、「EBS English放課後英語教室」やEBSeの番組や英語の教科書のコーパス分析も行う予定である。なお、平成25年度の研究結果は国内外の学会・会議・学会誌・ジャーナルで随時発表予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
インタビューなどのデータや質問紙の自由記述式のデータを分析するために、テキストマイニングのソフトを購入する予定である。また、それらの分析を行うために、ノートパソコンを購入する予定である。さらに、「EBS English放課後英語教室」を使って放課後学校を行っている小・中学校の授業を観察するために、1週間程度訪韓する予定であり、そのための旅費が必要である。さらに、調査対象の学校に対する謝礼金を支払う予定である。 学会誌や学会で発表する際には、英文チェックが必要になるため、英文チェック代や学会発表のための出張費が必要である。
|