2013 Fiscal Year Research-status Report
韓国の小中学校の英語教育においてEBSeが果たす役割と日本への示唆
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24520714
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
カレイラ松崎 順子 東京経済大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40454186)
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Keywords | 韓国 / 英語教育 / EBS English |
Research Abstract |
同じアジアである韓国は,小中高一貫の教育課程の確立,国定教科書や教材の開発,充実した教員養成,研修制度など周到な準備のもと1997年に英語教育が小学校に導入された。しかし,小学校への英語導入以降,早期英語教育が過熱化し,特に,都市と地方において英語の学力格差が顕著にみられるようになった。また,韓国は収入の違いが教育機会の不平等を招くといういわゆる教育格差が大きな社会問題となっている。これらの問題を解決するための手段として注目されたのがICTを使った学習教材であり,韓国政府は韓国教育放送公社の発展に力を注ぎ,2007年に英語の教育番組を専門に放送するEBS English(EBSe)を開始した。現在,EBSeのホームぺ―ジ上には小学生対象の番組が75番組,中学生対象の番組が69番組あり,会員登録を行えば誰でも無料で視聴できる。さらに、教育科学技術部と韓国教育放送公社は2011年9月1日「EBS English放課後英語教室」という小中学生を対象にした放送を始めた。「EBS English放課後英語教室」は全国の小中学校の放課後や夏休みなど、その他自宅で学習するように制作されている。日本も教育格差・地域格差が問題になりつつあり,また,英語教育においては小中学校の連携が大きな課題となっている。ゆえに,本研究では日本に示唆を与えるため、2011年9月より開始した小中学生対象の「EBS English放課後英語教室」の番組の研究を行い,「EBS English放課後英語教室」が果たす役割や効果,および問題点について検討していく。 本年度はEBSeを使用している小中学校で質問紙調査を行い、さらに、実際にEBSeを使用している小中学校を訪問し、授業観察を行った。また、EBSeの教材と比較するために、韓国の小学校で使用されている英語の教科書とそのデジタル教材の分析を行い、それらに関する発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、EBSeを使用している韓国の小中学校で調査および観察を行った。また、韓国の英語教育について多角的に理解するため、英語村についての調査も行い、それらに関する論文を発表した。また、EBSeの教材との比較を行うため、韓国の小学校で使用されている英語の教科書とそれらに付随したデジタル教材の分析を行い、口頭発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では平成26年度は日本でEBSeを使った授業を実践する予定であったが、いろいろ検討した結果、今の日本の公立小学校の現状では難しいと判断した。よって、平成26年度は平成25年度に調査を行ったデータを整理し、国際学会と学会誌に発表することを目標とすることにした。また、EBSeの教材自体についての分析ももう少し深めていきたいと考えている。さらに、韓国の英語教育においてもあらたな動き(電子教科書の採用など)が見られるため、同時にそれらの調査も行っていきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
人件費・謝金が必要なくなったため。 質問紙調査の自由記述を分析するために、テキストマイニングのソフトを購入予定であるが、使用しているパソコンには韓国語のソフトが入っているため、うまく動作しないことが明らかになった。よって、テキストマイニングソフト専用のパソコンが必要になったため、パソコンを購入する予定である。また、研究発表(特に、ポスター発表)などに必要なため、プリンタを購入する予定である。さらに、いくつかの国際学会において発表を予定している。
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