2013 Fiscal Year Research-status Report
外国語学習方略の指導効果に学習者要因が及ぼす影響:長期的な学習支援モデルの構築
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24520719
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
池田 真生子 関西大学, 外国語学部, 准教授 (00425323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 理 関西大学, 外国語学部, 教授 (40206941)
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Keywords | 学習方略指導 / メタ認知 / 情意 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、英語学習者(大学生)に対して授業中に、メタ認知方略および認知方略、社会感情方略の指導を約3ヶ月間実施し、方略(特にメタ認知方略の指導)を授業外での自己学習で使用するようになったかを調査するためのデータ収集を実施した。併せて、学習者の情意要因(動機や不安、自己効力感など)が、方略の指導効果にどのような影響を及ぼしているのかについてのデータ収集もおこなった。分析の結果、情意要因の中でも特に内発的動機の強さがメタ認知方略の指導効果に影響を及ぼしていることが明らかとなった。こうした結果を、学会で発表した。また、内発的動機を高めるための方法や理論的枠組みについても考察を重ね、論文にまとめた。 さらに、自己効力感や動機を高める授業内活動(協働学習など)について検討を進め、来年度に繋げるための予備実験を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、方略指導の効果と学習者の情意要因の関係性をある程度まで明らかにすることができた。具体的には、メタ認知方略指導(特に「学習目標を立てる」方略の指導)の効果には、学習者の情意要因の中でも特に、動機づけの影響が大きいことがわかり、その結果を学会で発表することができた。また、学習者の動機を高める方法についても論文にまとめたりすることもできた。 さらに、昨年度に引き続き方略指導を実施して、追加のデータ収集および分析を進めることができた。また、メタ認知方略の指導効果を高める活動の1つとして協働学習に着目し、予備実験をおこない、本研究の最終年度に向けて新たなモデル構築のための検討も進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度収集したデータの解析をさらに進め、動機以外の学習者情意要因が、メタ認知方略の指導に関与しないかを研究し、方略指導と学習者の情意要因の関係性をより明確にする。そして、その結果を学会の国際大会で報告するとともに論文としてまとめる。また、このようにして明らかとなった結果をもとに、新たな学習支援モデルを構築・提案する。現段階では、メタ認知を駆使して授業外での学習を自律的に進める高い動機を維持するために、授業内外の活動を有機的に結びつけること、そしてその方策として授業内で協働学習を取り入れることについて有効性を検討している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外での学会開催が当該年度にはほとんど開催されず、むしろ次年度に複数開催され、そのうちの1つでは発表することも確定したため、次年度使用額が生じた。 主に、国内および海外で開催される学会への参加費および渡航費として使用する計画である(なお、豪州での国際応用言語学会 the 2014 International Applied Linguistics Association Conferenceでは、発表予定。採択済)。また、それ以外の使用計画としては、データの入力作業の謝金、関連図書の購入、論文の校正依頼などを予定している。
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