2012 Fiscal Year Research-status Report
英語で教える英語教育を成功させるための教員支援システムの構築
Project/Area Number |
24520720
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
佐々木 緑 関西国際大学, 教育学部, 准教授 (20310766)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 英語教育 / 教員トレーニング |
Research Abstract |
本研究の目的は 「英語で教える英語教育」を成功させるために必要な教員トレーニングを開発することであり、2012年度はアジア諸国の先駆的な取り組みの調査と教員セミナーおよび高等学校での準備状況の調査を行った。 1) アジア諸国での先駆的取り組み、問題およびその解決方法の調査 シンガポール、ブータン、ネパール、インドネシア、タイ、ミャンマーを訪問し、現地の学校(小、中、高等学校など)、教員養成施設(大学等)を訪問し、それぞれの国でどのように英語教育に取り組んでいるか、これまでに直面してきた課題や問題点、教員養成およびトレーニングの手法などについて調査した。当然、それぞれの国で、社会背景や取り組みは違うものの、教員養成カリキュラムの充実、教員間の連携、学習者への意識づけの方法など、学ぶべき点が多い。日本の現状に照らし合わせ、有効な手法について、教員セミナー等で、現職の教員達と考えていくための材料を入手することができた。 2) セミナーの実施と高等学校での準備状況調査および英語教員の意識調査 アンケート調査およびセミナー参加者への聞き取り調査等から、多くの高等学校の英語教員が英語での英語教育には肯定的な考えを持っているものの、実際の教育現場の状況を考えると、どのようにして実施していけばいいのかについて不安を抱えていることを再確認した。「英語で教える英語教育」に対しての不安や不満は、概ね「有効な教授法の習得」、「学習者の動機付け」、「問題解決のための教員間のサポート体制の構築」、「教育委員会や学校等による研修のサポート」についてであり、今後のセミナーで取り組むべき課題が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2012年度の取り組みとして当初計画していた内容のうち、以下の項目について、年度当初の目標を達成することができなかったため。 1) 高等学校での準備状況調査および高等学校の英語教員の意識調査 セミナー実施時の参加者への聞き取りや、オンラインでのアンケート調査を実施した。オンラインでのアンケート調査については最初に利用していた無料のシステムがサーバーアタックを受け突然サービスを停止し、それまで集めていたデータの大半を失うことになってしまった。その後有料のサービスに切り替え再度実施したものの、総論としてまとめることができるだけの十分な数は集まっていない。2013年度に実施予定である、実施状況の調査の質問項目に準備状況に関する質問項目も加え、実施する予定である。 2) 現場往還型のセミナーの実施 セミナーの主担当者であった研究協力者が、家庭の事情で突然自国に帰ることになり、本研究に参加することができなくなったため、実施計画の変更が必要となった。当初は、単発で実施するセミナーを数回繰り返し、現場の状況等の情報を収集しながら、準備を進め、その後現場往還型セミナーへ移行する予定であったが、2012年度は現場往還型のセミナーを始めることができなかった。これまで本研究グループで実施してきたセミナーは、この研究膂力者の実績の評判で、参加者が集まっていたため、今後のセミナーの実施方法は、修正が必要な状況になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度は、これまでに収集した情報をもとに、セミナーの教材等を作成し、特に遅れている現場往還型のセミナーの開始に重点を置きながら、以下の取り組みを進めていく予定である。 1) 高等学校での実施状況調査 2) 高等学校の英語教員の意識調査 3) 現場往還型のセミナーの実施 4) 研究成果発表(英語教育関連学会での発表) 2014年度(最終年度)には、上記3)、4)を継続して行いながら、研究成果をまとめ報告書の配布、研究発表等で本研究の成果を広く共有することで、「英語で教える英語教育」を成功させるための教員支援を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度は、オンラインでの調査に加え、高等学校での実施状況調査および教員の意識調査を郵送でも行う予定で、研究費の大半はこの郵送料に当てる 。また、セミナーの教材作成費や研究成果の発表のための研究会、学会等への参加費としても使用する予定である。
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