2013 Fiscal Year Research-status Report
図像資料・文献史料の総合化による古代東アジア音楽文化史の研究
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24520725
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
荻 美津夫 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (80115013)
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Keywords | 石窟壁画 / 陶俑 / 画像磚 / 画像石 / 中国 / 敦煌 / 韓国 / 慶州 |
Research Abstract |
平成25年度は資料調査として、中国四川省、韓国全羅南道等の調査研究を行った。平成25年9月4日~12日、成都、楽山などの成都博物館、文殊院、宝光院、金砂博物館、凌雲寺等において、画像石と陶俑等にみられる奏楽・舞踊状況に関する調査研究、資料蒐集を行った。また、王建墓、武公祠等ではきわめて多くの画像石の調査を行い、貴重な資料を蒐集した。9月9日午後には四川大学の大学教員・院生等と懇談し、学術的交流の機会を持ち、おおいに有意義であった。 平成26年3月10日~15日、韓国全羅南道光州・木浦等において調査研究を行い、新昌堂遺跡出土弦楽器、種々の青銅鈴等貴重な音楽資料を蒐集した。木浦では新安沖の宋船の積載物中に鼓胴も含まれていたことの確認ができたことは成果の一つである。 文献史料の調査研究では、『史記』の一部、『魏書』、『隋書』、『旧唐書』、『新唐書』、『通典』等の音楽史料の蒐集整理を進めた。 学会活動では、3月6・7日上野学園大学において開催された日中音楽史研究シンポジウムに参加し、おおくの知見を得た。 1年を通して、資料蒐集、文献史料の調査が進み、また、中国の学者との交流を通して、おおいに学問的成果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中国・韓国での調査研究はほぼ予定通り進められており、資料蒐集も順調である。中国関係では、平成25年度は特に漢画像石資料に多数の貴重な音楽資料を見いだし得た。朝鮮関係では新石器時代、青銅器時代出土の楽器関連資料の調査を行い得た。文献調査では、『史記』~『新唐書』中、『史記』の一部、『魏書』、『隋書』等の調査を進めることができた。また、学術交流の点においては、中国蘭州の敦煌研究所、四川の四川大学等の研究者との懇談や意見交換を行った。 以上のように、ほぼ当初の予定通りに進めており、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、25年度と同様に中国、韓国で実地調査を行う予定。平成26年度は、中国では湖北省随州の曽侯乙墓、荊州の江陵鳳凰山漢墓、雲夢の睡虎地秦墓などにおける調査研究、韓国では全羅北道扶安郡来蘇寺、益山の弥勒寺、高敞支石墓等の調査研究を予定している。文献史料では、さらに『史記』、『漢書』、『後漢書』、『北史』、『南史』等の音楽史料の調査研究を進める予定である。平成27年度には、補充の実地調査と最終的な考察と、研究のまとめを行う予定にしている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の年度末の出張により、支払いが平成26年度にずれ込んだため。 中国・韓国の実地調査に使用予定。
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