2012 Fiscal Year Research-status Report
戦後言説空間として敗北側における戦争解釈と追悼の国際比較研究
Project/Area Number |
24520726
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
M・G Sheftall 静岡大学, 情報学部, 教授 (90334953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 明 鹿児島大学, 法文学部, 准教授 (00381145)
SAALER Sven 上智大学, 国際教養学部, 准教授 (70401205)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | war memory / memorialization / defeat and war memory / war monuments / war graves / war museums / era of total war |
Research Abstract |
どんな文化でも常に行っている一つの欠かせない「運営行事」として、その文化の現在そして将来の「所属者」のためにその文化の過去の経験と歴史を「物語る・解釈する」ということがあります。いうまでもなく、どんな文化の経験・歴史の中では、「我々の先祖が戦った戦争」、または、もっと最近の出来事と言うと「我々の貴重な倅が命を落として戦ってきた戦争」の存在が著しく目立ちます。その凄まじい経験をどう物語ればよいでしょうか?もちろん、どんな戦争の「勝ち側」の視点から見ても、そして「負け側」の視点から見ても、個人レベルでも集団・コミュニティーレベルから見ても、その「戦争」という凄まじい経験では数多くの愛する人々が命を亡くしたという「悲劇的」な面があります。しかしながら、どちらかというと、色々な政治的や感情的な「都合」からみると、ある文化の重要で、忘れてはいけない経験」として「戦争」を物語るという行事では、もちろん「勝ち戦」が「負け戦」より「扱いやすい」もしくは「都合がいい」ことです。「勝ち側」が戦争という苦しくて、悲しくて、そして膨大な被害が含まれる経験の政治・心理・感情的な結果として、少なくても「我が文化は健在である…我が文化が正しいである」と言えるある意味では「余裕」が残ります。その国、その文化の「有り方」や「基本的な価値観」が芯まで揺らされて、疑問視されるということがほとんどありません。しかし、「負け側」の場合はどうなるでしょうか? この研究は「近現代戦争における敗北側の記憶」を言説空間(discourse/discursive phenomenon)として追究プロジェクトです。このテーマに関して、私たちの研究チームが特に興味を持っているのは戦争関係の「記憶施設・装備」、ようするに、公共空間に設置している戦争史を「物語る」戦争記念碑、戦没者の墓地、そして博物館の展示です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず、二つの「間接的な達成点」を報告したいです。その一つは、ちょうど本研究プロジェクトのテーマに上手く一致するように、私はH24年度の約一年間に京都府の国立研究施設「日本文化国際研究センター」(日文研)の「日本の戦争記憶」を追究する研究チームに所属する客員研究員となり、数多くの国内・外の最先端的な歴史家、人類学者などを前にして私の研究紹介もできるし、その人たちとの間に豊富にアイディアと関連情報交換ができました。その二つ目の「間接的な達成点」として、H24年度の途中から(そして現に継続しているように)、私は中京大学社会学研究センターの檜山幸雄先生の「戦争記念設備の国際的比較」というテーマを追究している研究チームの一員として所属しています。この二つの幸いな出来事により、本科研研究プロジェクトのいわゆる「人脈」そして学問的な「影響力」が一方的に大きくなります。ぜひ、このプロジェクトのリーダーとして、私はこの機会を最大に活かせたいと思います。 本科研プロジェクトのもっとも大きな研究成果は私ともう一人のチーム・メンバーのスヴェン・サーラー先生(上智大学)の昨年のヨーロッパ調査でした。その調査の間のドイツ訪問では、私たちは数多くの第一次大戦関係の戦争記念設備や戦没者墓地や博物館展示を調査して、豊富な資料を獲得できました。さらに私は1人で続けた調査のフランスとイギリスで第一・ニ時戦争関係の資料の獲得も出来ました。また、イギリス訪問中に、私はイギリス空軍国立博物館(RAF Museum)の管理者そしてヨーロッパ最大級のイギリス帝国戦争博物館(Imperial War Museum)の資料室長を訪問しインタビューして、本科研プロジェクトの旨を紹介したり、いくつかの将来に向かっての国際協力研究プロジェクトのアイディアを話し合いました。
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Strategy for Future Research Activity |
前述した檜山幸雄先生の「スペイン内戦」研究調査として、今年の3月に私はそのチーム・メンバーとしてスペインに行ってきました。その度に、本科研プロジェクトの最初段階から扱う予定であった南北戦争、第一次世界大戦、そして第二次正解大戦の追加に、ぜひ、「勝ち側」と「負け側」の「戦争記憶」言説空間が非常に複雑そして現在でも「生々しい」であるスペイン内戦も調査したいと私が決心して、その他の二人の本科研チーム・メンバーの合意を得ました。それに従って、私とサーラー先生は今年の8月下旬から9月中旬まで、スペイン国内の各地の内戦戦場や記念設備の調査を行いたいと思います。プランの今の段階では、私は8月下旬から先にスペインに行って、サーラー先生は9月一週間目から参加する予定です。(異動したばかり西村先生{鹿児島大学から東京大学へ}のスケジュールが現時点ではまだ不明です)。 さらに、来年の3月ごろに、私たちは3人で、従来の計画通りにアメリアの南北戦争関係の戦場や戦争記念設備を一週間程度の調査をしたいです。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
スペイン内戦調査:約8,000,000円 アメリカ南北戦争調査:約5,000,000円
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Research Products
(2 results)