2015 Fiscal Year Research-status Report
戦後言説空間として敗北側における戦争解釈と追悼の国際比較研究
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24520726
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
M・G Sheftall 静岡大学, 情報学部, 教授 (90334953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 明 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (00381145)
SAALER Sven 上智大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70401205)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 戦争記憶 / 戦争博物館 / パールハーバー / 特攻隊員の遺書・遺品 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の本研究は主に終戦70周年記念関係に集中して行いました。この一年間、私は特に戦争系博物館・記憶施設での「敗北をどうやって物語る?」という課題を勉強してきました。まず、南九州市の歴史アドバイザーとして、市が保管している1945年沖縄戦特攻関係の資料をUNESCOの「世界記憶遺産」申請準備・作成プロセスに参加して、市が経営している「特攻平和会館」の展示表現とナラティブをもっと「歴史学的に客観的で中立的なスタンスで国際的に来館者に受容しやすい」方に調節するように努めました。また、私の案と計画の結果として、平成27年5月13日、東京の日本外国特派員協会で南九州の世界記憶遺産の申請を直接的に世界のマスメディアにアピールして、各国の新聞または新聞が経営しているウエブサイトで大きな(そして、圧倒的にポジティブな)反響がありました。私のもっとも大きな実績として、私が提案し、組織的に段取りをまとめた形で、平成27年4月12日に米国パールハーバー施設の戦艦ミズーリ記念館で当博物館と知覧平和会館の共同展示が開かれました。展示内容は南九州市が保管している特攻隊員が残した遺書(その英訳と文化的な背景の説明作成担当にも私は中心人物として参加しました)と遺品(飛行服、日記手帳、お守り、マスコット人形、など)のセレクションを展示しました。これもマスメディア上(特に米国のマスコミ)で大きな、そして、圧倒的にポジティブな反響に及びました(当日、その報道がハワイ州のもっとも大きな新聞であるHonolulu Star Advertiserの新聞の第 1 面の全面をうめました)。また、平成27年8月19日から9月8日まで、私は本研究費を使用して「太平洋航空博物館パールハーバー」で客員研究員・客員学芸員を務めて戦争博物館の経営とパールハーバーでの「戦争記憶文化・言説空間」を観察するフィールドワークを行いました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究プロジェクトが継続しているこの4年間の間に、私は色々な近・現代「総力戦争」を経験した国々(もちろん、日本も含めて)の「戦争記憶言説空間」を観察・勉強してきました。この研究活動により、私は日本の大学で働いているとして、ある程度、国際的に知られるようになって、そして、ある意味では、特に海外から見て、「日本の学者は「あの戦争」の課題から逃げる癖がある」という好ましくない「典型」を少しでも覆そうとしています。また、個人的にこの活動により、私はヨロッパ(ドイツ、フランス、イギリス、スペイン)、米国、そして国内の学者と戦争記憶施設関係者との幅広い人脈ネットワークを作ることができました。また、この4年間で私が集めた戦争記憶関係の資料と観察データが私のキャリアーが終わりまでに十分な執筆活動を可能にすると思います。この面では、私は本当にJSPSにありがたいです。 また、UNESCO申請の面では、残念ながら、平成27年度の申請は国内UNESCO委員会レベルで合格できませんでしたが、これからも再申請に向けて、私と南九州市が協力して勤めています。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、私はこの4年間で私が集めた戦争記憶関係の資料と観察データが私のキャリアーが終わりまでに十分な執筆活動を可能にすると思います。私はこれに向けて退職まで頑張るつもりであります。そして、またこの4年間の間にできた海外・国内の人脈ネットワークを活用して、これからも国際的な研究・平和活動を続けるつもりであります。それに従って、「戦争記憶施設」の研究活動として、そして、もっと概ねに言うと、日米和平を推進するために、私は現在再び南九州市と米国にある戦争博物館の媒介者として働いて、戦艦ミズーリ博物館の「特攻展示」に続いてより大きな展示会を計画中です。
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Causes of Carryover |
当初の予定よりも、旅費がかかりませんでした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
5月27日に広島市でオバマ大統領の原爆ドームでの演説を観察したいです。 5月26日、浜松市から広島市へ移動します。広島でホテルに泊まります。 5月27日に、本イベントが終わったら、浜松に帰ります。
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Research Products
(8 results)