2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520735
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 信 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (80132744)
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Keywords | 古代地方官衙 / 国府(国衙) / 郡家(郡衙) / 出土文字資料 / 木簡 / 地域間交流 |
Research Abstract |
古代地方官衙における地域間交流の研究をテーマとする本研究では、昨年度に引き続き、日本列島各地における地方官衙遺跡とその出土文字資料の調査・研究を進めて、地方官衙が果たした多様な機能と多レベルにわたる地域間交流を示す史資料の収集・検討を蓄積した。またそれとともに、古代中国の地方官衙とその出土文字資料についても調査して、比較検討を進めた。 具体的には、日本においては、古代中央官衙である平城宮・長岡宮・造東大寺司、大宰府・鴻臚館、斎宮寮、地方官衙としての国府である武蔵国府・多賀城・出雲国府・美作国府・大隅国府、国分寺である武蔵国分寺・上野国分寺・下野国分寺・美作国分寺、郡家である武蔵国橘樹郡家・常陸国鹿島郡家・美濃国武義郡家・上野国多胡郡家・同佐位郡家・同新田郡家・下野国河内郡家、城・柵である徳丹城・秋田城、鞠智城そしてその他関連する山陽道駅家・平泉柳之御所などの調査と研究を展開した。現地における遺跡や出土文字資料の実物調査や資料収集の上に、地域間交流の解明をめざした検討・研究を推進した。また、中国においては、河西地域における漢~唐時代の地方官衙・地方軍事施設と木簡などその出土文字資料について調査した。 昨年度・今年度の本研究により達成した研究成果の発信という面については、口頭の講演・報告などで地方国府や郡家の歴史的景観の復元や多様な機能の分析、そして地域間交流の展開に関する研究成果を公表するとともに、古代地方官衙遺跡とその出土文字資料の検討の研究成果の一端を、論考としていくつか公刊することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度には、昨年度に引き続き、日本列島各地における地方官衙遺跡とその出土文字資料の調査・検討を蓄積し、地方官衙が果たした多様な機能と地域間交流の実像の解明を進めるとともに、古代中国の地方官衙とその出土文字資料についての調査成果と比較検討することを行った。 具体的に、日本において、古代中央官衙である平城宮・長岡宮・造東大寺司、大宰府・鴻臚館、斎宮寮、地方官衙としての国府である武蔵国府・多賀城・出雲国府・美作国府・大隅国府、国分寺である武蔵国分寺・上野国分寺・下野国分寺・美作国分寺、郡家である武蔵国橘樹郡家・常陸国鹿島郡家・美濃国武義郡家・上野国多胡郡家・同佐位郡家・同新田郡家・下野国河内郡家、城・柵である徳丹城・秋田城、鞠智城そしてその他関連する山陽道駅家・平泉柳之御所などの調査・研究を展開することが出来た。現地における遺跡や出土文字資料の実物調査や資料収集の上に、地域間交流の解明をめざす研究を推進した。また中国において、河西地域における漢~唐時代の地方官衙・地方軍事施設と木簡などその出土文字資料について調査した。 本研究による研究成果の発信面では、口頭の講演・報告などで地方国府や郡家の歴史的景観の復元や多様な機能の分析、そして地域間交流の展開について公表するとともに、古代地方官衙遺跡とその出土文字資料の検討の研究成果の一端を、いくつか論考として公刊することが出来た。 したがって、本研究はおおむね順調に伸展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題「古代地方官衙における地域間交流の研究」についての本研究最終年度となる平成26年度には、収集した古代地方官衙遺跡とその出土文字資料に関する史資料や情報をデータとして集成するとともに、個別地方官衙の研究をふまえた上で、研究の総括を行いたい。研究計画の変更はない。 まず昨年度に引き続いて、古代東国の地方官衙、出雲国府跡や相模国高座郡家跡など、各地の古代地方官衙遺跡とそれをめぐる出土文字資料・地域間交流のあり方について、国府・郡家・城柵・駅家などにわたるケーススタディーをさらに展開したい。その上で、個別の地方官衙について、それぞれ歴史的景観の復元、多様な機能の分析・検討、そして地域間交流についての解明といった研究を進めたい。こうした個別研究の成果は、シンポジウムなどそれぞれの機会を得て、公表したいと考える。そして、そうした個別地方官衙の検討をまとめることによって、古代地方官衙に関して、遺跡・遺構、出土文字資料、多様な機能と施設、地域間交流といった諸方面からの多面的・総合的な研究統合を行い、古代地方官衙の実像についての研究成果をとりまとめたい。 その上で、本研究に関連して収集した史資料や本研究期間に公表した古代の地方官衙や地域間交流に関する論考などのまとめとともに、研究成果を、報告書として公刊することをめざしている。
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Research Products
(9 results)