2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520742
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
芳井 研一 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (90092634)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 日中全面戦争 / 社会変容 / 東北アジア / 華中鉄道 / 満鉄上海事務所 |
Research Abstract |
本年度は、中国北京市の社会科学院近代研究所、中国上海市の上海市档案館、日本の国会図書館、防衛省戦史研究センター等において、研究課題に関する調査活動を実施した。また新潟大学で関連する研究テーマに沿った国際シンポジウムを共催し、成果を公開すると共に問題点等を検討した。さらに史料収集の成果に基づいた研究論文を一部まとめ公表した。 9月には北京市の社会科学院近代史研究所で満鉄上海事務所調査室が行った経済調査などの関連資料を撮影により入手し、その目録を作成した。11月には上海市の上海市档案館や上海市図書館で資料調査を実施し、華中鉄道などの資料についてコピー等により入手した。また随時国立国会図書館や防衛省戦史研究センターでの調査を実施し、眞田穣一郎日記、甲谷悦雄日誌などを閲覧しつつ、必要資料をコピーやPDFにより入手した。 併行して、それまでの研究成果の一部を3月に新潟大学で開催した国際シンポジウムで報告した。こうした史料調査や国際ワークショップにおける報告・議論を踏まえて、研究成果の一覧に記載したような、いくつかの研究成果をまとめ公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題は、研究代表者が多年にわたり取り組んできた南満州鉄道等の新史料の収集とそれにもとづいた研究成果を踏まえつつ、日中全面戦争期に焦点を据えて新史料を調査・整理し、戦争の展開過程とそれが諸地域にいかなる社会変容をもたらしたかについて研究することを目的としているが、本年度はその初年度であり、かねての計画通り中国社会科学院近代史研究所や上海市档案館、日本の国会図書館や防衛省戦史研究センター等における資料調査を順調に実施した。 一連の資料の収集を踏まえて研究を一部とりまとめ、国際シンポジウムを共催して成果を発表した。おおむね予定通り計画を達成したといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の推進方策の第一は、中国の史料所蔵機関である社会科学院近代史研究書図書室・北京市档案館・中国第二歴史档案館、及びアメリカ国立公文書館などに所蔵されている日中全面戦争期の諸機関の調査資料等を収集し、適宜目録を作成することである。第二は、収集資史料を分析し、日中全面戦争期の占領地支配下の社会変容についての研究成果を公表する。第三は、社会変容等に留意しつつ、日中全面戦争の展開過程を再検討し、研究成果を公表する。第四は、収集した資史料のうち重要史料を中心とした史料集を中国の研究者のプロジェクトと連携しつつ編集し、発刊すること、などである。 それらの研究計画に沿った調査等の実施のため、今年度以降も、提出計画通り研究費を使用する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き前中国社会科学院近代史研究所長の歩平氏と北京大学歴史学部教授の徐勇氏の協力を得て、北京市において調査を実施する。調査期間は1週間程度を予定しているので、そのための旅費等を使用する。 アメリカ国立公文書館や議会図書館等所蔵の関連資史料の調査を実施する。成田空港からダレス空港直行便を使用する。調査期間は1週間程度を予定しているので、そのための旅費等を使用する。 引き続き防衛省戦史研究センターや国立国会図書館など国内の資料保存機関において、関連資史料の収集を行うので、旅費等を使用する。 課題に関連する資料を入手するため、資史料の複写費等を使用する。
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