2014 Fiscal Year Annual Research Report
国体と仏教-日本近代史における仏教の再定位に向けて
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24520758
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山口 輝臣 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (20314974)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国体 / 仏教 / 宗教学 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、昨年度、予定通り進捗しなかった里見岸雄関連の文献収集を実施した。これについては、ほぼ計画通り収集を完了し、またその主要なものについて、読解と分析を行った。その結果、里見岸雄をはじめとするいわゆる日蓮主義者たちについて、国体との関連ばかりではなく、より広い視角から考察する必要性とその意義を再認識した。 そのため、本年度中に脱稿する計画だった単著についても、国体と仏教との連関に限定することなく、より広範な宗教史として執筆する方針へと再構想・再構成し、その新方針のもとで著述へと着手した。結果的に、このことが大きく影響して、研究期間内での脱稿には至らなかった。できるだけ早い時期に上梓する計画へと変更し、執筆作業を継続している。なお、上述の新方針については、研究報告を行うことで批判を仰いだ。 つぎに、過年度と本年度における収集史料に基づく小論を発表した。ひとつは、天津教という小さな教団について、そこに集った人びとの行動と文書と歴史学との関係をめぐって、問題提起をしたもの。もうひとつは、釈宗演について、その生涯と資料について概観したもの。とくに仏教とメディアという視点を打ち出した。いずれも近く刊行予定である単著の基礎作業でもある。
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Research Products
(3 results)