2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520778
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kogakkan University |
Principal Investigator |
荊木 美行 皇學館大学, 史料編纂所, 教授 (60213203)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 新撰姓氏録 |
Research Abstract |
平成24年度は、以下のような調査と考察を進めた。 (1)【主要写本の調査・撮影】24年度はすでに公表されている主要なテキストが底本や副本として利用している写本の蒐集と調査から始めた。具体的には、賀茂鷹季本(皇學館大学所蔵)・色川三中甲本(無窮会専門図書館所蔵)・昌平坂学問所本(内閣文庫所蔵)・林崎文庫本(神宮文庫所蔵)・中原師英本(内閣文庫所蔵)・黒瀬益弘本(神宮文庫所蔵)・西山政年本(無窮会専門図書館所蔵)・井上頼圀本(同上所蔵)などの調査とマイクロフィルムの紙焼きの蒐集を実施した。 (2)【基本データの作成】つぎに、(1)の写本調査から得た基本データをもとに校異を確認・整理していく作業を進めた。この作業によって、二系統の写本の優劣を判断するとともに、佐伯校本・田中校本が底本の文字について誤認している箇所のチェックもおこなった。 (3)【原本と抄本の関係に関する考察】さらに、上記の作業と並行して、『新撰姓氏録』抄本の成立について考究した。現行『新撰姓氏録』のなかで『日本書紀』にかかわる記述をあらためて総点検し、そこから抄本と『日本書紀』の関係、さらには原本と『日本書紀』との関聯にまで考察を及ぼした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に提出した研究計画・方法のところに記した24年度の研究計画をおおむね達成しえたと判断したから。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は、24年度の調査に洩れた写本・版本にも調査を及ぼし、書写系統を洗い直す。 これと同時に、(1)の調査結果をもとに、電子データ化した『新撰姓氏録』の本文にさらに諸写本の異同に関する書誌的データを追加・注記し、24年度の(2)の作業の継続にあたる。原本と抄本の関係に関してもさらに考察を進める。 最終年度にあたる26年度では、24・25年度の写本調査とその比較研究の成果をもとに、新しい『新撰姓氏録』の校本を整理・作成を課題としたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)