2013 Fiscal Year Research-status Report
出土資料とくに貨幣資料に基づく古代アフガニスタン史の再検討
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24520801
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲葉 穣 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60201935)
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Keywords | アフガニスタン史 / 中央アジア史 / 南アジア史 / 中央アジア考古学 / 貨幣学 / 南アジア美術史 |
Research Abstract |
出土資料、特に貨幣資料から古代アフガニスタン史を再構築するという目的のもと、本年度は(1)美術館・博物館調査、(2)国際シンポジウムの主催、(3)国際学会における成果報告、(4)雑誌論文としての研究成果の公表の四つを実施した。(1)については、2013年10月にニューヨーク・メトロポリタン美術館所蔵の南アジア関連資料の調査を実施し、特にイスラーム以前のアフガニスタン史にとって重要な仏教関連遺物を調査した。(2)については、もともと最終年度に開催する予定であった国際シンポジウム"Exploring the past and envisioning the future: current issues in the ancient history of Afghanstan"を、招待参加者の都合により一年前倒しで実施した。オーストリア科学アカデミー、ウィーン大学、アフガニスタン国立博物館より8名、国内から4名が報告を行い、アフガニスタン古代史・考古学に関する最新の知見を共有した。なお、この成果の一部は和訳の上、来年、書籍として公開される予定である。(3)については、2014年1月、ボン大学で開催された国際学会”Chinese and Assian Geographical and Cartographical Views on Central Asia and Adjacent Regions" にて"From Caojuzha to Ghazna" と題して研究成果の一部を報告した。本報告も論文集として来年には刊行される予定である。(4)については雑誌『西南アジア研究』および『東方学報』にそれぞれ「8-10世紀ヒンドゥークシュの南北」、「前近代のカーブル」と題する論考を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定していた博物館、美術館での調査は予定通り進行し、さらに25年度は関係の専家を集めてアフガニスタン古代史に関する国際シンポジウムを開催することができた。そのおかげで、最終年度を研究のとりまとめと、成果の公表にあてることができ、その意味では当初の計画以上に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究の最終年度として、博物館・美術館調査を継続するとともに関連書籍・カタログの収集につとめる。さらに研究成果のとりまとめのため、雑誌論文等(英文二編、和文一編の予定)を執筆し、公表する。また事情が許せば若干名の貨幣学の専家を海外より招聘し、貨幣研究のワークショップを通じて、研究方法のアップデートと、研究資源の共有を図る予定である。
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Research Products
(4 results)